生地 雅之

2020 12 Oct

無印良品のブランドがおかしい?

無印良品が何かおかしい方向に向かっているように感じます。

まず、米国の子会社の僅かな赤字を消せずに、放置したこと。

そして、自社でのブランディングをしっかりやれていたのに、

自社のブランド発信が十分できる自店を多く展開しているのに、

ここ数年部分展開でブランド毀損するように、コンビニへの参入をし、

目先の売上確保に向かっていること。

その経緯を見て、無印良品がスタートした時のブランディングが崩れだしていると思うのは、

小職だけでしょうか?

 

決算をみると、前期は増収増益であり、営業利益率も9%から12%と好調に推移しています。

今期の第一四半期こそ、コロナの影響での減収減益ですがまだ安定しており、店頭売上もそう大きな落ち込みではなく、客数は増加、客単価が低下しているのです。客数を維持させている事は小売業としては素晴らしい事なのです。しかし、

「ムジラー(無印のコアファン)」は盲目的な無印ファンもそれなりに存在するのです。

小職の知人のムジラーでも、身長2m近くもあるのに、小さいベッドに丸くなって寝ていることや、

小職も子供が小さい時に買った16inchの自転車に子供に与え、自転車そのものは見栄えが良いのですが

目茶苦茶重く、子供の力では御せないくらい運転に支障をきたすものだったのです。

 

商品がお客様目線にはなっていなかったのです。

作り手の思い込みが見栄え優先になっているのです。

「何でも無印」の方はそう問題ではないコアのブランドファンなのですが、

そこに特化し過ぎ、そのコアファンの外の二次的なファンを育てられていないのでしょう。

 

確かに無印のブランドは、強烈なコンセプトから派生しているので、

過去は素晴らしいと評価していました。

中価格ゾーンを問わず、これくらい絞り込んだブランドコンセプト(衣食住ワンテースト)で、結果多くの顧客を掴み、成長してきたのです。

絞れば絞るほどブランドらしさが表現でき、一般的なお客様にも共感が得やすいのです。

全部の商品ではないのですが、「この部分は好き」となり、生活全部無印ではなく、一部分でも良いのです。しかし、現在はその一部分のみのお客様が大きく遊離してきていると思われるのです。

 

無印の利益は雑貨や食品で持っているのですが、衣料品は出来が悪く、手こずっているのです。

ロングタームで売れる雑貨等は上手くこなしているのですが、衣料品には旬な時期があり、

プロパーの販売時期やセールの販売時期の見極め、その販売数量の予測不足等により

生産過多に陥っており、適正な販売になっているようには見えていません。

また、消化率が悪化しているように映り、「新価格への見直し」という言葉での値下げも恒常化して苦しみだしているように見えます。つまり、適正な販売時期を設定できなくなってきているようです。

この「新価格」はユニクロもコピーしだしており、店内の僅かのコーナーエンドのワゴン的商品の売り方に利用し、1品番でも多く残った色のみを値下げして最終処分しているのです。(この手法の運営はユニクロの方が1枚上手なのです)

 

衣料品はユニクロに比べても、品質は悪く、価格が高いという状況はコアファンのムジラーだけで商売しているのなら、ある意味?問題はないのですが、ブランドビジネスはコアファンだけでは成り立たなく、その周りの二次的なファンを多く確保し、その人に少しづつ購入アイテムを増やして頂かないと持たないのです。よって、ムジラーのみではなく、無印でなくても構わない人に他ブランドの商品と比べても、選択していただける商品開発が必要不可欠なのです。

使い勝手が良いから購入され、使用していたら、結果無印だった的なお客様を確保し、徐々にムジラーに育てていくのです。ムジラーを孤立させずに、商品に見合った価格を付け、ムジラーは良いものを選んでいるとのステータスを与え、ムジラーが恥ずかしいと思われない様にすべきなのです。これこそブランディングの基本的な考え方なのです。

 

ビジネスとは、

1)ターゲットは誰か?(まず既存)

2)そのニーズ(顕在需要)は今のMDでそのニーズをすべて確保できているのか?(不足を見つけ埋める)

3)その顧客のニース(潜在需要)何なのか?

まず、上記1+2が基本で、来店されている顧客のニース(顕在)をまず確保し、その後、その店に来店できる上記1+2のMDでカバーできる顧客をすべて確保(見つけてアプローチ)する。それであれば、既存MDでの売上の落ち込みはカバーでき易いのです。

それを精一杯やった上で、次の顧客(既存顧客の娘&息子、そしてその子供達の家系を狙う)のマーケティングをして、MD開発と売場構築(新規ターゲットのMK&MD&PM)に向かうべきなのです。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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