生地 雅之

2020 19 Oct

Tシャツプリント騒動

ひき8月31日に某セレクトショップの仕入れ商品のTシャツのプリントに女性蔑視と言われる絵柄があり、SNS等で揶揄されていました。企業側は仕入先の柄の意図を聞いていても、お客様への説明不足とも釈明していましたが、果たして、

 

女性蔑視かどうかは個々の判断に委ねられるでしょうが、「アートだから良い」や、Tシャツにこのような問題を議論するのは可笑しいとの擁護論も出ています。また、担当者自身が社会の通常概念を認識できていなかったのでしょうが、その教育が出来ていない企業にも大きな課題が存在する事に気が付いているのでしょうか?

 

まず、Tシャツの絵柄が自己表現なら何でもよいのかという点に疑問を生じます。その柄でビジネスしているので。外国の有名アーチストが壁等に絵を描いて、知らずに消した清掃作業員に批判が飛ぶなどは論外です。器物破損なのです。芸術家の前に一人の人間なので、守るべきルールは当然存在するのです。

 

アート(芸術)は見る人それぞれの感覚であり、自分の責任の下表現すればよいのであって、芸術家は法律違反をしても何をしても許される訳ではないのです。上記の壁は絵を描く人(その企業)にとっては、アート(芸術)であったのかも判りません。

 

小職の前職で、約40年前に展示会発表予定のTシャツの胸プリント図柄に、英字新聞を転写で載せて発表しようとしていたのですが、当時の副社長(親会社の商社からの天下り)がその新聞は当時のソビエト批判している内容だから中止すべきと進言して預き中止しました。

 

滅茶苦茶ラッキーであり、我々企画MANの無知を知らされ、勉強になったのです。今回の件も、同じ業界としてまだこのような事がなぞられているのかを知らされ、業界の横連携が何も行われていない世界であることを恥じるばかりなのです。

 

この企業だけでなく、セレクトショップも、一部の百貨店も、モール企業も、商品問題が起きたら仕入先が手土産を持ってお客様に謝罪に行き、修理等も実施するので、お問合せ先の連絡先は仕入先のメーカー名や電話番号がホームページに記載されているのです。販売企業の責任はないのでしょうか?

 

この企業のホームページを見ると、この件の前には「ある仕入先からのTシャツに品質表示ラベルが付いていないので付ける事を要望される方は仕入先まで」の表記をされていました。付け忘れは起こしてはならないのですが、どの企業にも誰にでも間違いはあるのです。その対応がこれでは、、、確認して販売している筈なのですが責任はどこに、

 

洗濯表示の付け方に関しては、「付記及び付記用語は、繊維製品に直接記載するか、又は繊維製品に容易に取れない方法で取り付けたラベルに、織り出し、印刷、その他の方法によって記載しなければならない」と定められています。よって、通常は商品の内側に縫い付けられているのです。

この企業は、この法律を知らないのでしょうか?付けなくて販売している事自体がNGなのです。一般的には全量引き上げして、付けて再販すべきものなのです。全量引き上げた後、既に購入されている人向けなら理解できるのですが、そうは受け止めにくい記載でしたが、

 

間違いはともかく、同業界で、同企業で同様の間違いを繰り返す事は大きな課題なのです。自分では初めてのミスだから、自社では初めてのミスだから容認されるものではなく、同業界、同企業の中での初めてのミスならまだ良いのですが、同業界や同企業で違う人が同じミスをすることは情報の共有化が出来ていない事なのです。少なくとも表沙汰になればマスコミは記事にしているのです。商品展開する前に自社内での発覚事例は、企業名を伏せたマスコミサイトがあって業界内で共有化されれば、業界の活性化に繋がるものと思われます。

 

現在の企業で売上不振の原因をどう見るか?他者(天候や気温、震災等)要因にするか?自者要因とし、自分で出来る事を見つけ精度を高めるようにするかで、全く異なるのです。

通常業務においても多々あるとは思いますが、「あるある」と同調されても、その後自社は自分はと振り返ってみてください。果たして、、、

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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