生地 雅之

2018 30 Jul

オーダービジネスの行方

小売業界は、昨年まで厳しい環境下に置かれ(今年も?)、業績が悪化している企業も多く出てきています、しかし、反対には儲かっている企業も多くあります。その差は何なのでしょうか?ずばり、経営者の力量の差なのです。

 

昨今ZOZOをはじめ、オーダースーツという言葉が独り歩きして業界を賑わせています。

単純にオーダーと言っても、フルオーダーからパターンオーダーまで多種多様に存在しています。お客様にとって、オーダーが最適かどうかも判りまん。

町のテーラーや百貨店でスーツを作ると、素人はその接客された販売員をプロと信じ、

その考え方に左右されるケースが多いのです。果たしてそれでよいのでしょうか?

 

小職は前職のアパレル入社当時、テイラード(ジャケット、スラックス、ドレスコート等)の

生産を数年担当しており、少しは知識や経験もあるのです。

その前職時代に某百貨店が当時前職の営業の部長代理を通じて、オーダ―スーツの外販

(企業訪問販売)をされてきました。

 

当時小職はメンズ管掌取締役であったので、自分の一番気に入ったFORMALに使える素材でスーツを作ったのですが、小職の部下(営業経験の長い方)は商品知識等がなく小職がゴージの角度やいせ込み等まで細かく指示するオーダーをそのまま自分サイズで作られたのです。彼は知識がないので楽をしたのですが、本当に彼にとってのベストだったのかは疑問です。

 

人間の体はヌード寸のみで着心地の良い服は作れませんが、技術がクリアしてくれることも沢山できつつあり、すべてを否定するものでもありません。

しかし、ヌード寸から何センチ大きくゆとりを作れば着心地が良いのかは人によっても時代によっても変化しています。

 

また、人間の体は左右対称ではなく、肩幅が左の方が短いなど、変化は多岐にわたるのですが、スーツは体に合わせて作るばかりではなく、左肩がなで肩ならPADを積んでシナジーに見せた方が見た目がきれいに見えるものなのです。これは人それぞれの考え方があります。

このような知識は技術者はお持ちでも、お客様が望むか否かはなのかは別なのです。

しかし、このニーズは1回接客採寸して設定すれば、変更のない限りはリピート可能なのです。

 

要はお客様が「何にどこまで望むのか」をシンプルに把握できる売場やサイト画面を

構築することの方が、満足度の高いサービスが可能になる事に早く気付くべきでしょう。

お客様はその店の期待値以上であれば、気に入ってリピータにもなって頂けるのですから、、

如何に買いにくい売場やサイト画面が多い事でしょうか?自分で買ってみてください。

ECサイトでスーツを買って、裾上げのできない企業が如何に多い事か?

リアルのクイック裾上げなら2時間程度で、お茶でも飲んでいれば仕上がるのです。

リアルよりも利便性のないサイトで誰が買うのでしょうか?一事が万事なのですが、、

 

一般的に目的買いのみなら、商品をリアルでもサイトでも、判り易く並べて置くとある程度は売れるのですが、百貨店などは欲しいものがわからないお客様も多いのです。

小売業とは、この売場(サイト)に来たら心地よいので、いつも見に来られこのお気に入りの店で一生でいくら使っていただけるかの顧客との心理戦なのです。

 

お客様にはカスタマイズは必要ですが、企業のビジネスとしては、それをどうマネタイズできるかが問われているのです。先義後利の先義はできているのですが、後利は全くできていません。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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