生地 雅之

2021 17 May

GMSと百貨店の人事異動

期初は人事異動の時期ですが、百貨店は大筋年間1回(期初)が一般的で、7月に気が付いても翌年3月か4月までは人事異動はSTOPしています。最近の大丸松坂屋百貨店は別ですが、

しかし、GMSは思い立ったら吉日ごとく、ディリーで触りまくっています。

 

何故、同じ小売業でこのような差が起きているのでしょうか?原因は百貨店は椅子に接着剤が付いているので、身動きが取れていないのです。誰がやっても難しいので、ミドル(代表権のない取締役~部長以上)以下に期待していないだけなのです。

 

よく見ると優秀な人材はそこここにいらっしゃるのですが、見つけられていないのです。要はTOPに見る目が無いのです。TOP自ら戦略が描けないのと同様に、適材適所に人材を配置できないのです。今回の三越伊勢丹は別ですが、

 

逆にGMSのミドルはTOPを見続けており、ミドル以下は自らの判断が出来ない環境とその中に甘んじる人の集団なのです。すべてTOPジャッジなのです。イオンも自ら老害と自認して前任が会長に退いても、まだ90%以上前任が仕切っているとの声も、

 

ヨーカドーにしてもカリスマの鈴木さんを老害と勘違いして退任してもらっても、後任のカリスマ性がないTOPが真似をしているので、ミドルが忖度し続けており、ストアマネージャーや商品統括マネージャークラスの成績が悪ければ、即人事異動を仕掛けているのです。

 

GMS(イオンもヨーカドーも)は一人異動させたいのですが、見せたくないのかシャッフルした異動が多く、関係のない人まで巻き込んだ異動が頻繁に行われているのです。前職と新職を引き算するとどこの店の店長が何か問題が合った事はすぐに浮彫になるのです。

 

この様なカモフラージュ異動を繰り返していれば、関係の無い店長が月毎ベースに代わり、その人が描く店の長期戦略や戦術等は空中分解していくのです。要は百貨店同様、部下を信頼していない事に尽きるのです。これで売上・利益が上がらない等と宣わっても、GMS自ら首を絞めているのですから、

 

いくら人を変えても、企業ヴィジョンが明確に出せていないGMSのTOPに問題があり、ヴィジョンが無いままでは当然人材育成もままならず、いくら人事異動をしてもたらい回し状態fが続いているのです。百貨店も、もっとTOPが現場を大事にして、研鑽し、現場に権限移譲すべきでしょう。本田宗一郎氏の三現主義の徹底以外に道はありません。

 

何時まで経っても、百貨店もGMSも斜陽産業からは脱出不可能な状態が続いているのです。過去から提言していますブラインドコンサルによるFREETALKINGをして、優秀な知見を買い求めるべきなのですが、それを見抜ける目線がなければ、斜陽産業からの脱出など「夢のまた夢」なのです。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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