北村 禎宏
神戸市北区直撃された
30年来出張族をやっていれば、様々な事象に遭遇するのは当たり前だ。台風にしてやられたのはこれで二度目、予定フライトの欠航は三度目の経験だ。
最初に台風にしてやられたのは20代半ばの若かりし頃、日曜日の14時台の新幹線に乗ったはいいが、東京に着いたのは翌日の午前9時。仕事には無事間に合ったものの、体力が衰えている今だったらと考えるとお尻が冷たくなるのを禁じ得ない。
盛岡のクライアントに通ってた際に、機材の不具合で帰りの便が欠航になったのは10年ほど前の出来事。すかさず新幹線で東京までは戻って、羽田空港のホテルに泊まって朝一のフライトで大阪の仕事先に向かうことができた。マイナーな一便の欠航に過ぎなかったので、ホテルの部屋が確保できたことは超ラッキーであった。
2012年には春の嵐で痛い目にあっているが、今回の台風20号にも綱渡りを強いられた。東京は何の問題もないことから、予定通り18時まで研修は実施。いつもの最終便は朝早い段階で欠航が決定。どこまで走ってくれるのか、祈る様な気持ちで新幹線に乗ったものの。およそ50分遅れで運転は新大阪まで。
在来線も大幅な間引きで、神戸行きの各停が30分後と表示されているが、本当に来るのか、三宮まで走るのか???。そこでタクシー乗り場におもむくと乗客よりもむしろクルマの方が大行列。難なく乗ることができ日付が変わる前に自宅にたどり着くことができた。
迫り来る風雨の中、安全に送り届けてくれたドライバーの方に深謝!地震や台風の時に書き入れ時になる私たちの商売は肩身が狭いですわとのご謙遜あふれる態度に、とても爽やかな気分にさせられた。こんな時に頼りになるとても大切なお仕事をして下さってますよと労いの言葉をかけておいた。
タクシーを下りて玄関に入るまでで傘をさしていても下半身はぐしょぐしょ。在来線を待っていたら大変なことになっていたと胸をなで下ろした。姫路や明石近辺を通過すると神戸市北区はえらいことになる。一晩中凄い雨風で小学校の木は倒壊するは、あちこちにちぎれて飛んできた波板は散乱しているわという有様だった。
翌金曜日の朝、JRはまだ走っておらず、大阪まで唯一の足となった阪急を使って予定を狂わせることなくヒヤヒヤものの一週間が終えることができたが、この週末はドッと疲れが出てしまった。
今後地球上の気象は激烈になる一方なので、うまく付き合っていくフェイルセーフと体力気力が欠かせられないと改めて痛感させられた。