北村 禎宏

2018 23 Sep

因果律

 因果律の見極めが経営者とマネージャーに必須のスキルであることを強調するのは三枝匡氏だ。氏はフレームワークの使い手でなければ経営トップは務まらず、初めて出くわす風景だと言葉を漏らす経営者がいたといたら、それは無能の証であるとさえ言う。当然、そのことはマネジメント層全般にもあてはまることだ。

 KGIをKPIに展開し、そこにKFS(キーファクターフォーサクセス)=CSF(クリティカルサクセスファクター)を的確に被せることができなければ成果は期待できない。
上位層から降りてくるKPIをKGIに置き換えて、自部門のKPIに分解・展開してKFSを見極めることは容易ではない。KPIのスルーパスと思いつきのToDoの羅列で終わってしまっている事例が少なくない。

 問題解決のプログラムでは、そこまであからさまになることは少ないが、マネジメント層を対象に自部門の戦略・戦術を対象にしたワークショップになると、もろにボロが出てしまう。ところが、ちょっとしたコーチングの一言で見る間に目が見開かれていく皆さんの姿を拝見していると鳥肌が立ってくる。まさに発見とブレークスルーの瞬間である。

 因果の連鎖すなわち目的と手段の連鎖。KGIを正しくKPIに分解できていて、KFSを見誤ったり見落としたりしてはいないか、今一度確認してみる必要がある。