マサ 佐藤

2018 10 Aug

在庫を持たないでも売れる?は本当??

★小売業の最大のリスクは在庫を持つこと??

アパレル業界に限らず、小売業において最大のリスク足りえるものはというと?それは在庫を持つことではないでしょうか?

在庫が少なければ、少ないでその品揃えの少なさから、顧客の足は遠のくことになりますし、在庫を多く持てば持ったで、商品管理等の経費リスクや、また商品がお金に変わる(売れる)までの時間が長い。等。場合によっては在庫が積み上がればその組織が危機を迎えることになります。

 

私の仕事も現在様々な小売業の方と、在庫に関することを取り組んでいますが、業態や組織そのもの。また仕入の形態等で在庫が必要なのか??ということは相対的に変化するものであり、一概にこのことに答えや法則・ロジックは存在しません。

しかしながら、ある程度の在庫を用意しておかなければ、売り逃しに繋がり、在庫を減らし過ぎた上に売上が大きく下がる!ということになれば、まさしく本末転倒と言えます。

 

★昨今、よく「D2C」って何??

ここで話は変わり、昨今よく「D2C」なる言葉が持て囃されます。私はこういう言葉に疎いので、ネットを使い色々調べてみましたが、この「D2C」なる言葉をよく説明出来ている文章を見つけることはできませんでした。

(最初は健康食品のメーカーと勘違いした)

 

”D2Cとは?

「Direct To Customer」の略。(何故Toを2に言いかえられるのか?意味が解らないが)

組織が自社で企画・製造した商品を卸や小売店を通さず、(顧客に)直接商品を販売するモデル。”

 

と言うことらしいですが、このことは、まだ自分でもしっくりきていません。この上記のことが定義ならば、工場やメーカーさんが直接顧客に商品を送り届ける?ということなのでしょうか?(結局それは、工場やメーカーが小売りの機能を持ったということになるに過ぎないが...。)

それのことはさて置き、この「D2C」なる言葉は、とくにデジタルマーケティング。この業界で言えば、ECの方面で良く語られる用語です。そしてそのことが、いつの間にか「D2C」=”在庫を持たない商売”ということと何故か変な結びつきを始めています。

 

そのことが、一番顕著に現れている例としては、WEBを活用した”オーダー商品”の一連とも言えるのではないでしょうか??

 

★オーダー商売は在庫を持たなくていいの??

オーダーと言えば、注文してから商品が手元にくることですから、一般的には在庫を持たなくて良い??商売と思われがちです。

先述したように、小売業にとってのリスクは在庫を抱える。ということですから、何か旨味のある商売に感じている人も多くいるのではないでしょうか??

(特に一連のZOZO関連の商売等の宣伝活動をみていると...。)

 

オーダー商売にとっての最大のデメリットとは??これは注文してから商品が手元に届くまでに時間がかかるということです。形が決まっているパターンオーダーでも、採寸等してから商品が作成するわけですから、2・3日で商品が手元に届くはず等ない!ということは、素人でもわかることでしょう。

仮にある程度のインフラが整っていれば、その期間が短くなる可能性はあります。そのことを友人の深地雅也さんがよく纏めた文章を掲載しているので、ご興味のある方は下記クリックしてください。

https://note.mu/fukaji/n/nf1604735f624

 

上記の文章をみてわかることは、老舗のオンワードはインフラが整っているということです。

しかしながら、別の見方をすれば、生地や芯地・ボタン等の付属が予め準備できている。そして工場等の生産背景が整っているからこそ、ある程度の時間で商品をお客様に届けることができる!ということです。さらに突っ込んで言えば、商品としての在庫は持っていないが、生地や芯地・付属等の在庫は(ある程度)持っているということです。

しかも、多くの生地や付属を一括で発注し在庫を持っていなければ、当然コスト(商品1枚あたりの)も上昇します。

 

★都合のいい文言に踊らされる前に、冷静に当たり前のことを考えろ。

当然、生地や芯地・付属等の在庫を予め持っていないと、商品の発注から(顧客の)手元に届く期間は短くなる筈もありません。またそのような在庫は、バランスシートの棚卸資産にその金額を明記されていることでしょう。(上場企業は公開している。興味あれば調べればいい。)

 

にも拘わらず、いくらオーダーメイドと言えども、生地や芯地・その他付属等の在庫を抱えず、”お客様の手元に最短で届けます”という文言はなんとも怪しさを禁じえません。仮に、もしその在庫を協力業者等の方に在庫金額を計上しているとしたら、それこそ”自分たちは在庫リスクを負わないだけの弱い者いじめ”をしているという可能性さえあります。

 

どのような商売の手法も当然メリットもあり、デメリットもあります。そのことを考えず、安易に「オーダーならば在庫をもたなくてよい」という都合の良い考え方しか出来ないのであれば、それこそ浅はかな思考です。

また買う側も、一度立ち止まって、冷静に考える必要があります。それこそ、組織側出した文言だけ信じて購入しても(顧客が)損をする可能性あります。(そもそも顧客を騙しては詐欺にあたる。)

 

現在の技術がどんなに進化しても、「オーダー商品が最短で手元に届く」などと言う矛盾したことは成り立つ筈もありません。

だからこそ、目先の手法や手段ばかり拘るのではなく、真摯にお客様に向き合い「自分たちのできることで、お客様に喜んでもらう」この姿勢を見せることが重要なのではないでしょうか。

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