マサ 佐藤

2018 16 Aug

要素を探すことが大事?

★商品をパクってはダメなのか?

今回はいつもと趣を変え、商品に関することを書き綴っていきたいと思います。

 

この業界で商品系の仕事に携わっていると、どうしても周りのショップ・ブランドの売上状況が気になってしまうものです。

「どのような商品が売れているのか?」「いくらで売っているのか?」その他にも様々なことが気になります。要は「隣の芝生は青く見える」ということでしょうか?そうこうしているうちに、売れているショップの売れているであろう商品を研究?という名のもとに模倣することは、この業界では日常的に行われていることです。

 

では、商品を模倣することのどこまでが良くて、どこまでが悪いのか?等線引きするのは実は極めて難しいことになります。例えば、よくニュースで出てくるような、ブランド品をそのままネーム・ロゴに至るまで模倣して作れば、それは犯罪行為になります。

しかしながら、あるショップが定番のオックスフォードのBDシャツを作ったから、ブルックスブラザーズ?等に訴えられるのか?と言えば、そうではありません。

パクリはアウトだけれども、インスパイアはセーフなのか?このことを言い出したらキリがありませんし、私自身はブランドロゴやネームをまんま引用すること以外でその線引きをするのは難しいと思っています。ある一定のライン?(それが難しいのだけれども)さえ越えなければ、模倣商品を作ることは「悪」ではないと思っています。

 

★まんまパクれば、コピーを重ねた薄い商品になる?

そんな誰もが悩む商品模倣問題ですが、この業界でよく見られる光景としては、ある商品をブランドロゴやネームは模倣しないけれども、全く同じデザイン・同じような生地で模倣する組織も多くあります。(代表例としては、先日裁判で訴えられ敗訴した某巨大アパレル企業でしょうか?)

全く同じデザインや似たような生地で商品を模倣すれば、当然価格の安いところが優位になります。しかし、コピーの仕方が下手だと、逆に原本が判別できない、濃度の低い、薄い印字のコピー用紙のような商品になり、コピーした組織の商品も売れないばかりか、元々のオリジナルの商品の価値さえ下げかねないことになります。

 

とは?言いつつも、よほどの天才を要しない限りは、オリジナリティ溢れる商品でヒット商品を出すことなど不可能です。当然のことながら市場の傾向を見たり、感じたり、先読みすることが大事になってきます。では、どのように考えれば、模倣や参考にしているのだけれども、まんまコピーしたような商品にならないのかを以下、独断と偏見で考えてみます。

 

★デザインやスタイルだけが売れる要素ではない。

この業界でよく見られる光景として、服のことをデザインやスタイル。生地だけで語りがちです。当然トレンド分析等もそのことが中心に語られています。

 

しかしながら、商品が売れる要素はそれ以外のことも当然ある筈です。

先日、友人である南充浩さんがブログで以下のようなことを書いています。

”ブランドロゴ入りのTシャツは意外に売りやすいアイテム”

http://minamimitsuhiro.info/archives/2765.html

 

自分たちのブランド・ショップの商品に関わる仕事をしていると、どうしてもネームがまんま入ったTシャツやロゴを”ダサい”と言って敬遠する傾向にあります。

しかしながら、よくよく考えてみれば、自分たちのブランド・ショップを支持している顧客に対して商品を供給しているのですから、ロゴやネームの入った商品はある意味アイコン的な存在であり、支持されてしかるべきです。(過去私もこのことで成功体験があります。)

実際ラコステなどはあのワニのロゴだけで、100年続くようなブランドになっています。(ワニのロゴがなければ、ただのオッサンっぽい普通のポロシャツにすぎない(笑))

 

デザインやスタイルが大事!!と言いつつも、結局どこかの商品を模倣するのであれば、顧客に愛されるロゴを考える。作ることに時間をかけた方がよっぽど売れる商品を産み出せる可能性が高いと考えるのは、私だけでしょうか?

しかも、ロゴが一発当たれば、様々な商品に活用できますし、むやみやたらに売れるか売れないか解らない商品に注力する必要もなくなるのではないでしょうか?

 

また、ボタンなどの付属に着目することも重要かもしれません。古着マニアな自分にとってカッコ悪いと思うようなボタンの方が実際女性に支持されます。女性に支持されるということは、メンズでヒット商品を産み出す大きな要素になるということです。

 

更に言えば、顧客からみた「便利」が産み出せれば、そのことだけですべてを変えてしまうことも可能でしょう。

コーディデートのしやすさ。という便利を考えることも大事ですが、今年の猛暑を考えれば、”常にヒンヤリする、アイスノン(古い?)的な生地”などが開発できれば、それだけで局面を変えることは可能でしょう。(但し、便利を産み出せば、他社にあっという間に追随される)

 

★見た目で判断するのではなく、要素を考えることが大事

ロゴやネーム。ボタン等の付属以外にも、顧客が支持する要素は他にもおそらくある筈です。

売れている商品を研究するときにそのことを、見た目のデザインや生地だけで判断するのではなく、デザインの中でも襟がいいの?裾の感じがいいの?と深く考えそのことを応用し、(見た目)別商品に生まれ変わらせてみたり、またボタン等の付属から着目してみたり、ロゴやネームに着目してみたりと。商品が売れる要素。というものがヒット商品には必ずある筈です。

 

だからこそ、まんま商品模倣する前に、一度立ち止まって深く「売れている要素」を考え抽出する。そのことから、ヒット商品は参考にしていたとしても、顧客の側から見ればオリジナリティあふれる”欲しい商品”が産み出せる可能性があるのではないでしょうか?

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