マサ 佐藤
見た目と数字は同じに見えた方がいい??
★都合よく変えられる指標は意味がない?
以前、私はこのブログで都合よく変えられる指標は意味がないということを記載させていただきました。
都合よく変えられる指標は、組織が進むべき道を誤らせるものであり、個人それぞれの都合のよい道具として活用されがちです。
では誤魔化しのきかない数字指標とは何かと言えば、それは「点数」になります。
例えば、ある組織の倉庫で商品が1万点あった場合。
「やべえ~な~。在庫めちゃくちゃ残ってんな~_| ̄|○」
という感覚の組織であれば、その数字が帳票で表現されていた場合。その組織に所属する誰もが、「1万点の在庫は多いな~」と感じる筈です。そして倉庫に足を運び、見た目の在庫の多さに驚き、改めて在庫の多さを再認識することとなるでしょう。
★在庫回転率という指標は実は点数が一番事実を表している。
また、この業界でよく用いられる指標として在庫回転率なるものがあります。
ざくっりと以下数式を記載すると?
”在庫回転率=(期間)売上÷(期間)平均在庫”
ということになります。
在庫回転率という指標はどういうことを表しているかと言えば、
その店舗・組織に(平均的に)存在する在庫がどのくらいの期間でお金に変わるか?ということを表しています。
例えば、上記の数式を用い1年の売上点数が1万点で平均在庫が5000点だとすると?
10000÷5000=2
年間で2回転するということ。言い方を変えれば、半年で5000点がお金に変わるということになります。
在庫回転率という指標は点数で表すことが、見た目と数字が一致しているということになります。
とは言いつつも、流石に点数だけをみていると、この業界が好きなタイムセール・クーポン等のセール施策で意図的に売上点数を多くし、在庫回転率を上げることが可能になりますから、粗利率と関連づけた交差比率(粗利率×在庫回転率)等の指標が使われることになります。
また、点数だけの管理では、MDにとって重要な数字「売上金額」「粗利金額」「在庫金額」が表現できないという弱点あります。
★見た目と数字が一致する点数以外のこととは??
では、MDが予算設計。また期中での売上・粗利・仕入・在庫コントロールを円滑に表現する数字としてどのようなものを用いればよいか??「点数」のように見た目と数字が変わらない数字とは何か??ということを考えますと?
それは、やはり仕入・在庫は原価管理を用いることです。また、売上金額と粗利金額がわかれば、売上原価が計算できます。
原価は基本「点数」と同じで見た目と数字が一致するものになります。(評価減などで原価を変更することも可能ではあるが、そのルールは都合よく変えられるようにしてはならない。)
これを売価(この業界でよく使う上代)で管理するということは、この業界が好きなセールをする際に在庫自体も売価変更しなければならない。ということになります。またタイムセール等のときは在庫は売価変更しないなどとややこしいことばかりが発生します。
ときにこの辻褄が合わないことは、既得権益側に悪用されたりもします。
未だにこの業界では売価・上代での仕入・在庫管理を行っているところも多々あります。また以前学生から直接聞いたことですが、学生用のファッションビジネス検定の問題にもそのような問題が出されたりもしています。
だからこそ、「見た目と数字が一致」という基本原則を基に、この業界の数字管理を今一度見直す良いきっかけにこのブログがなれれば幸いです。
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