マサ 佐藤

2018 25 Sep

姿勢を変えるべきはトップと上層部

★繊研新聞さんでこんな記事が...。

先日繊研新聞さんでこんな記事を見つけました。

”≪視点≫コンサルにはだまされない”

https://senken.co.jp/posts/view-180904

 

この記事に関して私は深く掘り下げるつもりは全くありませんが、「同感です。」とだけ言っておきましょう。

 

★改革や新しいことを実行するには、実務者の理解とやる気が必要

上記の記事のように、コンサルを起用するケースは、新しいことを実行する以外に、組織が改革を迫られているケースが多いことでしょう。常々私もこのブログにも書いていますが、新しいことを実行する。組織の改革を実行する際は、上から下(実務者)にダイレクトパスをしただけではダメで、実務者の理解とやる気を引き出せなければ、そのようなことは成功する筈もないと感じています。

 

経営者の丸投げ体質も如何なことかと思いますが、上から目線の言葉と手段を持ち込むだけのコンサルが、実務者の理解とやる気を引き出せないのも、上記の記事に付随することです。

 

★現場には優秀な実務者が多いのに、何故活かせないのか?

最近、私は色々な業種の実務者さん。MD・バイヤー。ときには個人経営のオーナー社長や販売員の方に対して講義をする機会があるのですが、総じて言えることは、皆さん真面目。しかも私などよりも全然賢く、頭がいいことです。中には、(自分たちの組織に対して)現状に関しての危機感を持っておられる方も多く、関心することしきりです。

 

しかしながら、なぜこういう優秀な人材を多くいるにも関わらず、活かせないことが多いのでしょう?

 

★知識がないのは上層部

ここで話は変わり、私はアパレル以外の小売業の組織で講義をさせて頂くことが多いのですが、ここ最近、アパレル小売業の組織にも興味を持ってもらえることが増えました。

ある日。あるアパレル小売業の幹部から以下のようなことを聞かれました。

「マサさんの講義は初心者用ですか?うちのMD・バイヤーはレベルが低くて...。」

私からすると、この幹部は何を言っているのか!という憤りを覚えます。そもそも私のブログや連載を読んでいるのならば、私が行っている内容の大半は理解できる筈です。それを一々疑問形で聞いてくるということは、そもそも自分自身がその簡単なことを理解出来ていない!!ということです。

 

自分のところのMD・バイヤーのレベルを嘆く前に自分たちの無知さ。そして、無責任さを嘆くべきです。そもそも、幹部がしっかりとした知識があり、部下の育成に長けているのであれば、このようなことは起こりません。

また、MDにおける数字の部分は、売上だけではなく、損益計算書(売上・粗利)・貸借対照表(棚卸資産等)・キャッシュフロー計算書(営業CF)と密接な関係にあり、経営に直結するものです。

にも関わらず、まるで現状の良くない状況が自分とは全く無関係である!かのような態度を良く取れたものだな。と感じます。

 

そして、当然このような組織は経営者もそのようなことが理解できていないのでしょう。だから著名なコンサルやディレクターに仕事を丸投げすれば、自分の組織の売上が伸びると勘違いし、平気でそのようなことを実行し失敗するのです。

 

★実務者のやる気を引きだすためにも、まずはトップが勉強すべき

先述したように、アパレル小売業の若い実務者には、真面目で頭が良い人。現状に危機感を感じ、少しでも改善の努力をしようと努めている人が多くいます。しかしながら、そのような人材を活かせないのは、すべてトップを含めた経営陣の責任です。

 

経営者含めた幹部は、まずは自分たちの仕事で学ぶことを率先して学ぶべきです。そして、しっかりと知識を身につければ、上述したように、コンサルに丸投げして失敗するのではなく、本質を見極める目を養い、その時々に見合った外部のコンサルやディレクター等を起用し、費用対効果以上の成果が出せることに繋がります。

また、実務者に対する”人材育成・投資”が先の組織の成長に繋がるということに気づき、組織の人材の活性化に繋がる筈です。

 

得てしてこの業界では、組織で上に行ってしまうと、その責任を回避したい。自分の地位を守ることが目的となり、小売業の大事な本質を忘れがちになってしまいます。

そうならないためにも、上に行けば行くほど、”学ぶ”姿勢を忘れず日々努力し続ける。そういった姿勢がトップ含めた経営陣にこそ必要なのではないでしょうか。

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