マサ 佐藤

2018 13 Jul

真面目で正直者がバカを見るルールはいらない?

★企業会計は2つに分類できる。

(告知)

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今回は会計・帳票について考えてみたい思います。

企業組織の会計は大きく分けて2つに分類できます。

・財務会計~損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書。

・管理会計~経営判断や組織の業績評価に役立てるもの。

 

ざっくり言えば、この2つでしょうか。アパレル小売業に限らず日本の企業組織は当然のことながら財務会計を重視しています。上場企業になると、この情報を公開しています。

 

しかしながら、この財務会計も損益計算書だけ良く見えても、実は在庫が多く残っている?などということもあるので3表併せ、しかも過去数年の推移で数字を追わなければ中々その企業の特徴を掴めるものではありません。

★この業界の管理会計はどのような数字を重要視しているの?

ここで話は変わり、今回はアパレル小売業の管理会計系の話を簡単にさせて頂くと。

 

この業界で一番皆さんが注目している数字と言えば、当然のことながら売上高です。売上高が良い=業績が良い。という評価に繋がります。だからこそ、店舗別・事業部別売上表などと言うものは、皆さんが常に気にしている組織の管理会計ということになるでしょう。

 

以外で言えば、MD系?の管理会計でどのような数字が重要視されているのか?というと?

その一つに交差比率なるものがあります。例えば、粗利率50%の組織で期の在庫回転率が4であれば?

50%×4=200 という表現をします。

 

粗利率も在庫回転率も重要な指標であることは間違いではありませんが、粗利率だけを良く見せようとすればセールをしなければいいのですが、それでは在庫が多く残ってしまうことに繋がりかねません。

また、在庫回転率だけをよく見せようとすれば、セールをして売上点数を伸ばし売上原価を大きくすればいいのですが、それでは粗利率が下がり、売上金額が上がったとしても目標の粗利益高に届かず損益計算書が赤字に陥る。ということさえあります。

だからこそ、粗利率と在庫回転率を掛け合わせた交差比率を重要する組織が多いのでしょう。

そして、このことを重要業績評価指標(KPI指標)として掲げている組織もあるのではないでしょうか?

 

★実は自分・組織内組織の利益に走る?ために評価指標は悪用される?

しかしながら、いくらそのようなKPI指標を定めても、そもそも指標などというものは万能ではありません。

また、人という生き物は”自分自身のエゴ”に走りがちな生き物です。ときにしてその”エゴ”は、評価制度の隙間をついてその指標だけを良く見せようとする行為に走りがちです。

 

例えば、アウトレット(以下OL)店舗を抱えている企業では、プロパー事業部(OLでない組織)が、期中で売れない商品をすぐにOLに商品移動し平均在庫を少なくし、あたかも在庫回転率を良くみせたり、更にそのことで自分の事業部のプロパー消化率が高い!と、(組織としてインチキ出来ないルールを確立していなければ)自分の事業部の数字にお化粧を施すなんてことがいくらでもできます。

そして、そのようなことに長けた人が出世し偉くなる!なんていうのが、組織の常でもあります。また正直者で真面目な人は、商売の本質が解っていてそのようなことをしても無駄であるということを理解しているため、自分の事業部の利益を追い求めることはしません。しかしながら、そういう真面目で正直者な人が損をするというという、なんとも理不尽なことが起こります。

 

★業績評価における指標を決める前に、誤魔化しのきかないルールを確立せよ!

しかしながら、組織全体でみれば、上記のようなことは組織の利益にはこれっぽちもなりません。

大事なのは業績評価における指標等を決める前に、組織全体の利益を考えて、誤魔化しのきかない管理・運用ルールを確立せよ!ということです。

 

OL事業部に早めに商品を流し、少ないOFF率で消化できれば組織全体としてのことを考えれば悪いことではありません。しかしながら、事業部間の商品移動の際のプロパー事業部が負うペナルティもなしに、アウトレット事業部に商品がある程度自由に回せるルールなのであれば、当然そのことを活用し、自分たちの組織の組織益や個人の利益だけ考えてそのルールを悪用する輩が必ず出てきます。また、OL以外の他のことでも似たようなことが多く起こる筈です。

 

だからこそ、事業部や個人の業績評価の指標を定める前に、組織全体で考えて誤魔化しの聞かないルール・評価制度を確立することがよっぽど大事なのではないでしょうか?

この業界だけでも、「正直者がバカを見る!」といった風潮がなくなる制度を確立することに努力する。このブログがそのきっかけになれば幸いです。

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