マサ 佐藤

2018 19 Mar

棚卸ロスを削減することは大きいこと

★ロスとは??

この業界の仕事に従事している皆さまならば、「ロス」と言う言葉をよく耳にする機会があることと思います。

この業界では言われるロスとは??

 

・値引きロス(セール等で本来儲かる??べき額を自損する際に生じる)

・評価減・損ロス(在庫の評価を下げる。残在庫がトレンド等で鮮度がなくなる。その分を原価ダウンしダウン分を期の粗利益高から削る)

・棚卸ロス

 

等があります。ロスが発生すると、その分のロス原価分を粗利益から削らなければいけません。ロスが発生すると,

当然粗利益高・率が下がります。

 

★棚卸ロスとは??

今回は棚卸ロスを題材として取り上げたいと思います。いわゆる皆さんの組織で使われるロスはこの棚卸ロスをケースがほとんどの筈です。では以下棚卸ロスを簡単に説明すると。

 

”私がバッグ屋のPOPUPストアを3日間だけ営業することにした。OPEN前に用意したバッグは100個。3日間の営業中に入荷したバッグは65個。3日間の売上数が135個。すると3日間営業終了後のバッグの個数は30個。でなければなりません。(このことを理論在庫と呼ぶ)

しかしながら、営業終了後に棚卸をしてみたら、結果バッグは25しかなかった。5個が何等かの理由で無くなっている。この5のことを棚卸ロスと言います。

 

仮にこのバッグが売価1000円。仕入原価200円だとすると?ロス原価高は200×5=1000円。3日間の売上は135000円の売上になりますので、ロス原価率は?

1000(ロス原価高)÷135000(売上金額)≒0.7% ”

 

この0.7%のことを(棚卸)ロス率と言います。このロス率に馴染みのある方は、この業界の仕事に従事されている方は多いことだと思います。

★ロスを侮ってはいけない??

この棚卸ロスですが、大したことない!と。気にも留めていないという人多くありませんか??

 

しかし、侮るなかれ。売上100億円の組織の棚卸ロス率が1%だと。1億円のロス原価が発生します。その組織のロス前の営業利益が1億円だとしたら、そのロスだけで利益が吹っ飛ぶいうことになりますし、仮に0.5%ロス率を削減できれば、5000万の利益が上がることと同義です。その額だけでプロ野球の1軍選手が雇用できるということにもなるでしょうか(笑)

 

ではこの業界でいうロスとはどんな要因で起こるのかを??今回はECのケースで考えてみると??(実店舗はまた別の機会で書きます。)

 

★ECに返品はつきもの。但し...。

私はECの専門家ではありませんが、ECのケースで、棚卸ロスの要因で一番考えられるのは?

・返品の際に生じる問題。

・倉庫等の管理の問題(商品の扱い・管理がなってない)

等の要因があると考えられます。そこで今回は返品ロスに関して考えてみることにします。

 

ECは実店舗に比べ、返品率(返品ロス率とは違う)が高いと推測されます。しかし、返品禁止にしてしまうと売上が大きく下がる可能性があるので、この辺は顧客の視点にたってバランス良く考えなければなりません。

 

そんな返品商品の中で、顧客の着用が原因。顧客からのB品(不良品)の指摘等が理由でもう売り物として使えなくなるケースが多くなるように推測できます。そんな返品によってもう売り物として機能しない商品を返品ロスと定義すると、おそらく返品率と返品ロス率は比例する傾向にあると考えられます。

返品ロスを減らしたければ、返品率を下げることが一番有効な手段かもしれませんが、しかし先述したように、返品をしづらくしただけの施策では売上自体が下がる可能性があります。本当に悩ましい問題です。

 

★返品ロスを減らすヒントは結局...。

では、返品率だけにフォーカスした施策をせず、返品ロスを少なくするのは??どうしたらいいのか?それはやはり顧客の声を真摯に耳を傾けるしかありません。

 

以前ブログに書きましたが、

「サイレントクレーマーがいちばんこわい。」

http://blog.apparel-web.com/theme/consultant/author/fashion-soroban/c88a37cd-4c7d-4fa9-aa06-d541730870c0

ECは実店舗とは違い、顧客の声が聞きにくい場所です。また、返品できることをいいことに「モンスタークレーマー」等いわれなき理不尽なクレームを言われることも実店舗よりも多いのが現状です。

 

しかし、そのことで顧客の声を聞かない・無視する施策はおそらく更なる返品ロスを増大させるだけの施策でしかありません。むしろECの売上を強化し、ブランド・ショップの商品に反映させるためには、カスタマーサポートの部署を強化し、顧客の声に耳を傾ける体系を整えることが一番の近道の筈です。

現状EC中心の売上でこのことを軽視している組織は今後、返品ロスだけでなく売上自体も低下する恐れがあります。

 

最後に。棚卸ロスを削減することは思っている以上に、組織にとっては販管費削減の施策などよりもすぐ取り組めることです。そして、少し%が変わるだけで、組織にとって多くの利益を産み出す可能性があります。このブログをきっかけに皆さんの組織が、今まで以上に「棚卸ロス」ということに関心を持っていただければ幸いです。

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