マサ 佐藤
サイレントクレーマーが一番怖い
小売業に携わる中で、一番関わりたくないのがお客様からのクレームです。
販売員時代の私もかく言うクレームを受けた一人でした。このクレームに関しては、私自身に100%非があったので、猛省し、日々の行動・言動を変える努力をしましたが、そうは言ってもお客様からのクレームは耳が痛いばかりか、できれば関わりたくないものです。
とくに実店舗の場合は、販売員自身の態度・対応のこと。そして、非が商品にあったとしても、ショップ・ブランドの顔として販売員が、まずお客様からのクレームに直接対処しなければなりません。これだけでも販売員の仕事は大変です。
★カスタマーサポートの役割は以前より増している。
昨今、ECの売上の伸びと同時にクレームも増えていると推測されます。中には言われなき理不尽なものも多々ある筈です。
そのことによって、カスタマーサポート(今回はこう呼ぶことにします。)の仕事は増大していることでしょう。今までならば、どこかのタイミングで事業部に報告したり、場合によってはエリアの担当マネージャーに報告し対策を打ってもらう。ということが仕事の主でしたが、先ほども述べたようにECの普及・発展によってその役割も大きく変わっています。
またクレームとは別に、返品があります。特に、EC等の場合は実店舗に比べ、返品率も高いと推測されるので、返品理由(色・サイズ・素材・その他)のデータを収集・分析し、商品情報の共有・改善に繋げければなりません。ある意味、そういった情報は組織にとっての宝ともなるデータです。であるからこそ、クレームを報告・処理するだけが、カスタマーサポートの仕事ではなくなり、その仕事の重要性・役割は以前よりも重要性を増しています。
はっきり言ってしまうと、カスタマーサポートが収集した情報をいかにスピードをもって、組織内で報告・共有し、改善に繋げるか??ということが、現代の小売業にとって一番重要なこととなっているのかもしれません。
★声をあげないで、去っていくお客様が一番怖いのである。
私も経験しましたが、プロの目線で「この商品は、素材の特性なので大丈夫!」という商品でも、多くのお客様の目でみてアウト!!ならば、その商品ははっきり言って売り物にはなりません。そういった商品を店頭・EC等で放置し売り続けるほど、そのブランド・ショップにとってはダメージになります。そういった場合は早急に対応しなければなりません。
また、例えば多くの方から批判を受けるようなお客様への対応も、まずは謝罪し同時に早急に対応策を実施すべきです。確かに、人は時間が経てばすぐに忘れる生き物です。しかし、そのことを放置しておくと必ず同じ過ちを繰り返しますし、そのボディーブローは後々計り知れないものになります。
クレームとして声を上げるお客様ははっきり言って「ありがたいお客様」です。そのことによって、自身のショップ・ブランドの問題点を改善へと導く一番のヒントになります。
しかしながら、楽観的観測から「これは大丈夫だろ~」とクレームを放置しておくと、「こんな対応されて、もう二度とこの店で買わない!」等の声を上げないお客様が増え、いつの間にか売上が下がっていたり、また、昨今ではSNSの発達により、見えない??ところで「あそこの店はダメだ!!」と噂を広められます。
私たち小売業に携わるものにとって、このような声を上げない「サイレントクレーマー」が一番脅威なのです。そのようなお客様を増やさないためにも、真摯にお客様の声を聞く。そして素早く対応策を練る。実施する。そのことによって、少しでも「お客様からの声」を「お客様に喜ばれる」ために反映すること。このことが重要なのではないでしょうか。