マサ 佐藤

2018 02 Apr

結局人のマネジメントの問題??

★過去数年の推移を調べる?

このブログでもたまに書いていますが、最近上場企業の決算関連資料を見るのが趣味になりつつあります。その際、多くの企業?で見られる傾向がありますので、以下架空の組織を作成しどのようなことなのか?ということを記載してみると?

 

*架空のアパレル小売業Aの過去3年の損益計算書

3年前→売上100億。粗利率50%。売上原価50億。販管費47億。営業利益3億。

2年前→売上110億。粗利率50%。売上原価55億。販管費47億。営業利益8億。

1年前→売上100億。粗利率45%。売上原価55億。販管費47億。営業利益▲2億円。

 

かなり解り易く大袈裟に記載してみましたが、こんな感じの数値の推移を見せている組織があります。このことに更に在庫と仕入をくっつけてみると、そういった組織は以下の図のような傾向にあります。

★売れていた2年目に何が起こっていたのか??

まず先に損益計算書を確認すると、この組織は2年目に売上をアップさせ利益も多く出しています。しかしながら、その翌年に売上を残し結果的に赤字に転落しています。

 

3年目の商品が2年目ほど良くなかった?という点がこのようになった要因と考えられますが、実はこの図を見ると問題点は2年目にあったように感じられます。そのことを以下箇条書きで簡単に書いてみると??

 

・2年目は売上原価55億。に対し10億の仕入オーバー。

・在庫は残る予想が出来た筈だが手を打たなかった(1年目と粗利率が同じ)

・売上が良かった分仕入を増やしたが、残った在庫は来年も行けると勘違いした??(定番品等と本部が慢心?)

・納期遅れ多発!

・仕入管理等のチェック体系が整っていない。

・期中での在庫コントロールが適当??

等以外もあるでしょうがこういった要因が考えられます。

 

そして、上記の要因から3年目は「在庫を減らすぞ!!」ということがその組織の業務の主となり、また残した在庫を顧客を顧みず楽観的思考で仕入を大幅に削っても大丈夫!(仕入原価を大幅に削減!)という本社・本部の慢心がこの結果に繋がったように思えます。

 

★このような結果にならないためには??

上記の例は結果的に箇条書きで書いたような問題点がその組織に存在し、3年目に思っていた以上の悪影響を及ぼしたという例です。このことで、4年目はきちんと仕入すれば売れる!と思っている方がいるとしたら、それは間違いでしかありません。

 

問題の要因。根本を解決しない限りは一度離れてしまった顧客は戻りませんし、上記の例で言うとセールし過ぎの影響がおそらく次年度からも続くことになるでしょう。売れる商品を開発すればこのことは一発で改善する可能性はありますが、今回はそれ以外で何かできることはないか??を以下考察してみると?

 

上記の組織の問題は、都度都度の行き当たりばったり施策の影響が多いように感じられます。そうならないようにするには、ザックリと考えて。

 

①一気通貫で先の未来を表現する管理帳票。

②商品に関わる組織の人のマネジメントの改善。

 

この2つをなんとかするしかありません。①に関して言えば、その帳票が複雑怪奇な状態になることで当事者以外の担当者が、仕入過多を気づけないことが期中で在庫を増やす要因になります。まずは、そのことに気づく組織共通で見られる一気通貫の帳票を使用するしかありません。そして、最低でも3か月くらい先の(売上・粗利・仕入・在庫)の見込みはいつも入れておくべきでしょう。また、できるだけシンプルな見え方もすることが重要です。

 

また、納期遅れはMDにとって最大の罪です。そのことによって売上のみならずすべてに狂いが生じます。そのようなことにならないためには、MDスケジュールの作成(各担当者のスケジュール把握)。MT体の内容・位置づけ。等を綿密に設計・運用することが必須です。

商品の発注に関わる人はMD以外にも、バイヤー・デザイナー・パターナー・生産管理・工場・生地メーカー等多種多様です。そのことが一つでも歯車が狂えば、納期はコントロールできません。これは、人為的な問題が多く発生することでもあります。それだけ、人のマネジメントがうまく行かなければMD等出来ないということになります。

 

テクノロジーの進化や本に書いてある数字管理のことを学んでも、MDには解決できないことが多々あります。まずは、問題の要因を具体的の抽出し改善策を講じる。その上で各担当者とのコミュニケーションを増やし、人のマネジメントを円滑にしていく。このことをしない限りは結局どんな立派なシステムを用いても、組織の業績を何一つ解決してくれるものとならないでしょう。

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