マサ 佐藤

2018 12 Mar

品揃えを増やしても得することはなにもない?

★売上ベストセラーレポートは毎週見ている筈。

この業界の皆さんなら、毎週。その週でどの商品が一番売れた??的な売上ベストセラーレポートを目にしている筈です。(本来は毎日チェックすべし)当然売上数・売上金額・粗利率・高・在庫等をチェックしていることでしょう。

 

そんなとき皆さんは、売上構成比というものを見ていますか?

1商品売上金額÷(組織全体の)売上金額

この業界は%の表示の好きな業界ですが、意外にカテゴリー自体の売上構成比には目を向けていても、商品単品の売上構成比の%を見ていない人が多いのでは?と感じます。

 

★ベストセラーの売上構成をどのように見ているのか?

ここからは私個人の経験談であり、あくまで参考として捉えてください。

 

例えば、標準店舗30坪くらいで品揃えをしているレディースのショップの、週の売上ベストセラーレポートの上位3商品の売上構成が6%くらいしかなかった場合。その店を客観的に捉えると、店頭では店のスタッフは商品の売れ筋を把握しづらくなります。

おそらくそのショップの店頭は、店舗によっての見え方の差が激しく(逆に店舗独自に考えないとますます売れなくなる。)、中には同じショップなのに、顧客視点でみるとまるで違うショップになっているであろうと推測されます。そのような組織は当然売れている可能性が低いと推測されます。

 

逆に、1位の商品だけで売上構成10%くらいあるケースのショップの方が確実に売れている筈です。(金太郎飴のように売れている商品が同じ。)そうなれば、自ずと上記のような事例がおこりづらくなります。だからこそ、自分たち組織が売れていたときの、上記3?10品番の売上構成の特徴を掴み、組織の改善に活かすというのは、立て直しの一つの手段足りえます。

 

★商品に関わるMD・デザイナー・バイヤーは品揃えを増やしたがる。

商品に関わるような業務に携わるMD・デザイナー・バイヤー等の職種の人は得てして品揃えを増やしたがる傾向にあります。それは、展示会やらに行ってテンションが上がったり、「隣の芝生は青く見える」的な発想で焦りを感じたりする。一種の職業病みたいなもので仕方がないことなのかもしれません。(とくにライフスタイルショップにあこがれる?のはたちが悪い??)

更に、その組織のブランド・ショップが不振に陥ると、その不安感から更に品揃えを増やしたがる傾向になります。

しかしながら、そのような考えははっきりいって間違いです。品揃えを増やして得するのは、実店舗でいえばショッピングモールのようなところ。ECで言えば、プラットホーム事業です。ましてや品揃えを増やして勝負しようとしてもこのご時世。Amazonに敵うべくもありません。

 

また、品揃えを増やして勝負しようとしても、その先には仕事の量が増えるだけで、売上が増えることはまずないでしょう。その分無駄も増大するということになります。

 

★一発屋の思考で勝負しろ?

冒頭述べたように、自分たち組織の売上の特徴を調べられば、売上ベストセラーの上位で多くの売上構成をとれていたケースの方が、必ずその組織の状態は良い筈です。顧客視点で言えば、薄く・広く売れているようなブランド・ショップは商品的な魅力を感じない店ということになります。

 

そもそもが、巨大な組織でもない限りは、多くの品揃えをしても意味がないのですから商品数を絞り、その商品で売上構成の%とり、お客様を獲得する目標をたて、どのようなことをすればその目標が達成できるのか?ということを深く考え実践に移すべきです。

 

品揃えを増やせば、それだけ商品1点あたりの開発にかける時間も減るばかりか、当然発注数を少なくなり、デメリット面も多くなります。だからこそ、演歌界のように一発ヒット曲を出せば一生食える!!的な発想で、まずは商品1点でも大ヒットするような、商品開発。MDを目指し、今自分たち組織の組織の置かれている状況に鑑みて、「お客様を喜ばさせる。そこにしかない?商品」の開発・仕入に時間を当てるべきではないでしょうか?

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