マサ 佐藤
在庫増はやばいが仕入れないと売上が下がる?
★最近上場企業の決算関連資料を見るのが趣味?
最近、仕事を待ってるだけもいけない??と感じ、トークショー?ワークショップの準備をしています。そんな中情報を得る手段として、アパレル関連企業(とくに小売)の決算関連書類をみることが増えました。
私は、会計士や税理士ではないので、自己資本比率がどう?とかROA・ROEがどう?とか?を見るのではなく、MD的視点見られる数値を探り(売上・粗利・売上原価・期首在庫・期末在庫等)、その組織の現場・商品と結びつけ、今この企業ではこういったことが起こっている??と想像・推理を巡らすようの見方をしています。
★ある組織の数値をみていたらキニなることが??
先日、とある組織の決算関連資料を見ていると気になることがありました。
その組織は2015年・16年は既存店昨年対比もよく、売上は数値上は良くみえました。とくに2016年度は、既存店昨年対比は109%程度売っています。(このご時世にこの数値は中々でない)
しかしながら、その組織は2017年は大幅に売上を落としていました。そして、MD的見方で数値を検証・並びかえしていると、いくつかの問題点が浮かび上がってきました。
・2016年は売れているが多くの在庫を残した。
→仕入すぎ(仕入原価が売上原価より、期で40億多い。その分在庫増加)
→第2四半期くらいから在庫増加。(その年度の秋冬商品が多く残った??)前年度は売上の4か月分くらいが平均在庫だったが、2016年度は売上の半年分くらいの平均在庫)
→粗利率が前年度とさほど変わってないので、組織としての在庫の危機意識が薄かった?(在庫消化施策が弱い?)
・2017年度売れなくなったのは、前年度の在庫を気にしすぎて極端に仕入を減らしたのが要因?
→仕入なすぎ(仕入原価が売上原価より、期で33億少ない。キャリー在庫消化を優先?)
→そのことが売上に影響(前年度90%程度)また第1四半期(9月~11月)の大事な時期に、キャリー在庫を展開したが、お客様に支持されずそのことを引きづった??
→結果。仕入金額は減らしたが、そのことが売上に影響し在庫金額の水準は相変わらずよくない(売上のほぼ半年分の平均在庫)
このような問題点が浮かび上がってきました。そして2017年は売上だけでなく、消化優先のため粗利率が下がり、そのことで赤字に転落しています。
★やみくもに仕入減らしても売上が下がるだけ??
この組織の問題の根本は、そもそも売上が調子のいいときに”イケイケ”で仕入を増やし、在庫を多くの残したこと。そのことに期中で(組織全体として)なんら対策をとらなかったことに問題があるように見えます。
そして次の年には、在庫が増えた危機意識から極端に仕入を減らしたことによりお客様の支持を失った。ということでしょう。また、定番品という概念の慢心。販売期間の不確かさ等の問題もあるのでしょう。
そして、組織内の数字のことだけを気にした施策は、顧客目線を失わせ、「お客様を喜ばさせる」新しい商品を出し切れなかったという最大の失敗に繋がっているようにみえます。
組織にとっての適正な在庫の持ち方というものは、組織それぞれに違うものです。しかしながら、目先の行き当たりばったりの極端な施策は顧客をがっかりされるだけではなく、そのことだけで組織が赤字に陥るという最大な失策に繋がります。
今後行う予定のトークショー??ワークショップ??では、このような数値を提示しながら、問題の要因と特定と、そのような状態に陥らない為には??等もお話できたらと思いますので、告知した際は皆さん是非足を運んでください(笑)
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