マサ 佐藤

2018 09 Oct

業界人が知らなくても顧客に支持されている店がある

★先日まで仕事をさせて頂いたクライアントさんの話

今回のブログは、趣を変えて、先日まで仕事をさせて頂いたクライアントさんの話をブログに綴っていきます。

(因みに今回ブログを書くことを許可して頂きました。本当にありがとうございます。m(__)m)

 

私も仕事柄。アパレルに限らず服飾雑貨の組織。ブランド・ショップは知っている方だと思い込んでいました。

とくにレディースのシューズに関しては、起業する前に携わっていた経験もあり、高価格帯から低価格帯まで調べあげたつもりでした。しかしながら、今回取り上げるクライアントさんのことは仕事をさせて頂くまで、全くをもって知りませんでした。

 

それは、香川県高松市にある(株)菱屋さんが運営する。アウトレットシューズというショップです。

(株)菱屋 企業沿革

https://www.hishi-ya.com/企業情報/沿革/

”アウトレットシューズ ECサイト”

https://www.rakuten.ne.jp/gold/outletshoes/

★アウトレットシューズとは?

(株)菱屋さんが運営するアウトレットシューズは、2000円代~3000円代を中心とした価格設定で、OLさんを顧客ターゲットにしたショップです。

実店舗は運営しておらず、ECのみで商品展開しています。売上は私から言えませんが、ECだけでビックリ(+_+)するほどの売上があるとだけ言っておきましょう。

 

また商品は、価格設定を考えると驚きの商品クオリティを兼ね備えています。(サンプル見るとビックリする。)

その要因としては、自社生産のラインがしっかり確立されている。というところでしょうか。(他にもいっぱい要因あると思います。)また、商社やメーカーに頼らず(社長を中心に)直貿を行っています。

 

そして、インスタグラムのフォロワーも2万人弱います。その数が多いか少ないかはわかりませんが、多くの顧客・ファンに支持されているのは間違いのないところです。

https://www.instagram.com/outletshoes_official/?hl=ja

 

★EC専業のショップにありがちなところがない。

私もECのみで運営されている組織の方と仕事をさせて頂いたり、話を聞く機会も多くあるのですが、EC専業のショップにありがちなパターンとしては、顧客の顔が見えづらい。ある意味、返品されてくることが日常なので、カスタマーサポート等の組織はあるけれども、実店舗と違い顧客の声に対する実感が湧きづらいということです。

(実際、100億前後の売上でカスタマーサポートの人数が一人という組織も存在する?(笑))

 

しかしながら、菱屋さんにはそのようなところが全くありません。

会社の玄関を入り、正面には顧客からの手紙が一面に貼ってあります。(社員は毎日目にすることになるだろう)その手紙を読むと、その殆どが感謝の言葉が述べられています。しかし、ときには厳しい内容のことも書いてあります。ただ逆に菱屋さんの場合は、その声に素早く対応し、ピンチをチャンスに変え、逆に感謝の言葉を頂戴している手紙もありました。

また週次の会議も冒頭に、顧客の声を”いいこと・悪いこと”を含めて発表することを行っています。

 

このことは、さもすると顧客の声を実感しにくい、EC専業のショップが参考にすべき点は多くあるように感じました。

また、ECやテクノロジー論にのみに無駄に食いつきがちの業界ですが、小売業の本質は実店舗であろうと、ECであろうと変わらない!ということを今回の仕事で改めて実感しました。

 

★出会ったきっかけは?

菱屋さんから、私に仕事の依頼がきたきっかけは、私のマスクマンの連載でした。

ECサイトで検索順位を上げるには、SKUが多ければ多いほど有利になります。(この辺の話は、業界の美の伝道師こと深地”プリンス”雅也さんから、現在勉強中です。)

しかしながら、MD的な視点でそのことを考えると、在庫が多くなる要因ともなります。(しかし、品揃え・サイズ展開の多さは顧客にとっての大きな魅力になる。)

その相反する課題を、今回の仕事で、改善へ向けて多くの努力をする光景を私は目のあたりさせて頂きました。そして、私も自分の常識を押し付けることなく、菱屋さんの長所を残しながら、課題改善へ向け共に仕事をさせて頂き、勉強になることが多くありました。(本当に感謝しかございませんm(__)m)

 

★業界人よりも顧客の方がわかっている。

この業界は業界人・ファッション系マスコミが支持する。推奨するブランドで情報が偏っています。また、私も業界側の人間でありながら、このような良いショップがあることなど知りませんでした。

 

昔であれば、業界人やファッション系マスコミが積極的に主導したショップやブランドが顧客に浸透したのでしょうが、インターネットで気軽の情報がとられるようになった時代だからこそ、顧客自身が情報の取捨選択をし、本当に自分たちにあったショップ・ブランドが探せる時代になりました。

そのことを私たち業界の人間は知るべきですし、業界人が喜ぶことばかり目を向けるのはなく、顧客に真摯に向き合っているショップ・ブランドにこそ、今後スポットを当てていくべきなのではないでしょうか。

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