マサ 佐藤
マーチャンダイザーに必要な資質とは?
★マーチャンダイザーに必要な資質って何だろう?
この業界で言うマーチャンダイザー(以下MD)に必要な資質って何?という質問を最近受けることがあります。
MDの仕事と一言で言ってしまっても、組織として定義が異なるケースが多々あります。例えば、商品の数字系の管理の仕事だけを指しMDと呼んでいる組織もありますし、商品のディレクション系の仕事をMDと呼んでいる組織もあります。
また、商品の品揃えの権限。数字の管理等。商品の品揃え計画に関するすべての権限を持ち合わせている仕事の人をMDと呼ぶ組織もあるのが現状です。(個人的には、商品・数字両方の仕事を理解していなければならない。と思う。)
MDの仕事の定義はさておき、必要な資質は?問われると、例えば、自社商品の開発等も行っている組織は、当然”服作り”。素材や縫製。またそのことに関わることなども、完璧ではなくていいのですが、理解しておかねばなりません。またディレクション職のケースであれば、トレンドやある一定のセンスが問われるかもしれません。
また、数字管理の仕事であれば、会計等の知識もいるでしょうし、バイヤーや生産管理。メーカーや工場。デザイナー等多種多様な人とも関わらなければなりませんので、人を使う仕事のスキルも磨かなければならないでしょう。
となると?スーパーマンのような資質が必要なのか?と言うと、私はそうではないと思います。実際、こんなことを全て網羅しているような人は見たことがありません。
では、どのような人がMDに向いているのか?というと?私は
”(仕事。人に対して)真摯であること。”
が一番大事だと思っています。ひたむきに仕事・人に向き合える人であれば、どのような人でもMDには向いていると思います。寧ろ真摯でなく、ずる賢いような人は、仕事の本来の目的を見失い、手段や自己利益に走る傾向があるので、どんなに頭が良くても、売上を大きく左右する発注権限のあるMDのような仕事に従事すべきでありません。
★”気づく”ことが大事。
しかしながら、例え真摯であっても仕事がうまくいかない、出来ない!という方はこの業界に多くいるように感じます。では、MDとして、他に何が大事?必要な能力?と問われれば、それは
”(誰よりも早く)気づくこと”
が必要不可欠な能力だと私は感じています。
物事に気づくスピードが速ければ、ブランド・ショップが進むべき道を誤ったとしても、改善のスピードを上げ、進むべき道にすぐに戻すことが可能です。
★”気づき”の能力を磨くには?
では?気づきの能力を上げるには、どのようなことが必要なのか?というと。それは
”常に物事を疑うこと。”
です。このことは先述した”真摯であること”と矛盾しているかのように思う方がいらっしゃる方がいるかもしれませんが、このような人は”顧客に喜ばれ、ファンを増やすこと”という小売業の本質・目的に対して真摯であるので、全く矛盾していません。
ある意味、性善説的な思考で、見たことや書いてあることを鵜呑みにする。組織や上司からの指示をダイレクトで信じてしまうでは、”気づく”能力は磨かれませんし、このような人はMDには向いていません。
寧ろ、5歳児のように常に「なんで、なんで、なんで?」と繰り返し質問する。問い続ける人の方がはるかにMDに向いていますし、常に疑って物事を見ている人の方が、圧倒的に自分たちの非に気づきやすいということです。
(しかしながら、このような人は現状組織では、出世しにくい。)
以前このブログにも書きましたが、マーチャンダイジングにおける車の両輪は、”商品”と”数字”です。数字に関する気づく能力は、反復練習等の努力によって、気づきのスピードを上げ、分析能力を磨くことは可能です。数字の推移には必ず傾向・癖があり、常日頃から努力を重ねていれば、この能力は上がります。
しかしながら、数字だけの気づき。分析だけで、すべての物事に気づけるのか?というとそうではありません。数字だけでの”気づき”はある意味。仮説を立てたにすぎませんし、現場や商品・顧客を併せて考えてそのことを立証しなければなりません。
(数字やロジックだけで解決しようとするのは大手企業の悪い癖。オーナーのワンマン思考で解決しようとするのもこの業界の悪しき弊害。)
では、商品系の”気づき”をどうやって磨いたらいいのか?というと。これはある意味持って生まれた資質なのかもしれません。常に物事を疑い、違う視点から併せて物事を考え、”ひらめく””気づく”ということは、先述したように、常日頃から物事を、人とは違う視点で見ることが出来る人でなければいけません。
このことは意外に、組織にいると単純に磨かれる能力ではないように思われます。
最後に今回このようなブログを記載しましたが、このことがきっかけとなり、この業界でMDやまた販売の仕事に従事している方々が、顧客を喜ばすことに繋がる。”気づき”を意識することに繋がればと願い。このブログを〆ます。
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この度はブログをご覧頂きありがとうございます。次回もどうぞよろしくお願い致します。