マサ 佐藤

2018 23 Oct

机上の議論だけでは何も解決しない

★月曜日の会議・MTが時間が長くなればなるほど...。

この業界に限らず、月曜日は会議・MTが多く行われている筈です。

場合によっては、月曜日の会議の資料を作成するがために、日曜日に出社し資料の準備をしている人も多いのかもしれません。

 

そこで行われることは、先週の結果(売上・粗利・在庫等)などをみて、検証や反省。そして解決策を練っているのかもしれませんが、結果的に、解決策は解決策にならず、組織が好きなPDCAも機能せず、いたずらに会議の時間だけが伸び、机上の議論に終始している。なんてこともよくあります。

如何に月曜日の会議を滞りなく過ごすかが、本部の人にとっての仕事のミッション。目的へと変わる等ということはこの業界でもよく見られる光景です。

 

また、私の仕事のように組織のアドバイスに携わる人も、物事をなんでもロジックや成功の法則。勝ちパターン等という成功体験を基にし、現場や実務者のことも顧みない、的外れな机上のアドバイスだけで事を済ます。という光景もよくみられます。

しかしながら、何かのパターンや型にはまったロジックや法則を求めたがる、組織の上層部にとっては、このことは寧ろ喜ばしいことなのかもしれません。

 

また。組織としてはその決まり事を守ることの方が楽なのでしょう。

★机上の議論のように、実際の現場は進まない。

そのようにして、机上の議論で決まった決まり事は、企業・組織の守るべきものとして、上意下達として現場に伝えられます。

しかしながら、実務者の意見を無視した上意下達は、その殆どが現場に不満を残したまま後味の悪いものとなってしまいます。

 

例えば、この夏のセール。百貨店業界は6月末と7月末の2段階セールを行いましたが、その効果は如何ほどのものなのでしょう?

恐らく、集客的に考えれば、その効果もあったことでしょうし、そういう集客数の結果は調べるのも簡単な筈です。そのことによっての売上効果も検証できるでしょうし、机上の議論でこのことを決定した上層部にとっては、おそらく都合の良い数字ばかりが並ぶ筈です。

 

しかし、MD的に考えれば、本来1回目のセールでセールすべき商品をセールせず、2回目のセールに回したりすることで、売り逃しに繋がったり、本来少なくて済むセールのOFF率が肥大したり、結果的にトータルで考えれば実は売上・粗利も低下しているなんてことにはならないでしょうか?

おそらく、このような”タラれば論”や”IF”を検証することは、スケジュールを決定した上層部にとっては、都合の悪いことなのかもしれません。しかし、そのような検証をせずまま、都合の良い数字だけを見て、今回のセールは成功と感じているのならば、商売の基本と言っていい、顧客のことを顧みない行為でしかありません。

 

また、事実。百貨店業界の若手社員からは

”この施策は失敗だったし、現場が意見を言っても上層部に響かない。”

という声を、私自身が何人から証言を得ています。

 

★大事なのは、決め事を守ることではなくお客様に喜んでもらうこと。

この業界の組織はある意味”決まり事”という枠を作る。守ることが大好き業界です。

実際、ある程度の決まり事。枠を作らなければ、組織としては機能しませんし、当然のことだと私自身も感じます。

しかしながら、その決まり事・枠は何を目的にして作られたのか?どういう経緯をもって作られたのか?ということを組織の一人一人考えないと、組織は道を誤ります。

 

小売業の本質は”お客様に(商品を)購入してもらう”ことであって、更に言えば”(商品を購入したことで)喜んでもらう”ことが何よりも重要なことです。

机上の議論でロジックや法則ばかりで決められた決まり事は、そのような本質から考えられたものなのでしょうか?

もし、そうでないとしたら机上から現場に出て、顧客の動向や実務者の声に耳を傾ける姿勢が、今こそこの業界に求められているのではないでしょうか?

現場に足を向けない。見ない。ロジックや法則で解決しようとする姿勢の人は、この業界から一掃されればよいのに!ということで今回のブログは終わります。

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