千金楽 健司

2020 09 Apr

VUCA時代に求められるもの

元々はアメリカの軍事用語だった「VUCA(ブーカ)」。2010年代以降はビジネス用語としても使われています。

Volatility(変動性)の「V」
Uncertainty(不確実性)の「U」
Complexity(複雑性)の「C」
Ambiguity(曖昧性)の「A」

VUCA(ブーカ)は、これら4単語の頭文字をとって作られました。いま、世界は「将来を予測するのが非常に困難な状況」であるということを示す造語です。

突発的な変動(Volatility)が多く、不確実(Uncertainty)な出来事も多く発生し、グローバルでのつながりが当然となった複雑(Complexity)で曖昧(Ambiguity)なVUCAの時代には、いくら事前に入念なシミュレーションをしていても「想定を超える事態」が次々と発生します。今回の新型コロナウイルスも「想定を超える事態」ですよね。

古い記事ですが、日経にこんな記事が掲載されていました。

▼「VUCA」時代、リーダーに重要な4つの言葉
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO11343490V00C17A1X12000/

グロービス経営大学院学長・堀義人氏の提言として、「VEDA」…ビジョンを描き(V)、自らを教育し(E)、対話を重ね(D)、行動(A)を起こす…が重要だという内容です。ちなみに「VEDA」は以下の4単語の頭文字からとった造語です。

Vision(ビジョン、未来像・将来像)の「V」
Education(教育、知らないことを学ぶ)の「E」
Dialogue(対話、コミュニケーション)の「D」
Action(実行)の「A」

VUCA時代に求められるものとして、「VEDA」にひとつ追加したいと思います。それは「S=スピード感」です。

「想定を超える事態=予測不可能な事態」を目の前にした時、我々は臨機応変に対応することしかできません。そんなとき、求められるのは「即断即決」=「スピード」です。検討に検討を重ねるのではなく、アイデアがあれば即実行。見込みがあれば突き進み、なければ撤退する…今の時代を生き残れるのは、そんな組織・人材だけなのではないでしょうか。

今回、新型コロナウイルスをめぐる一連の動きの中でもそれを痛感しました。国の対応がお粗末であることはさておき(思うところ・言いたいことは山ほどありますが)、企業のトップたちの対応も「お粗末」だったケースが多く見受けられたのは非常に残念です。政治家に国民を守る義務があるように、我々経営者には従業員を守る義務があります。今後も確実に「想定外の出来事」は続いていくでしょう。誰も体験したことのないウイルスとの闘い、戦後最大級の不況…そんなVUCA時代だからこそ、「VEDA」+「S」をより強化していかなければならないと痛感しています。