千金楽 健司
Marks & Spencer がサポートする「制服の再循環」
今回紹介するのは、イギリス国内に300店以上を展開している大手小売企業のMarks & Spencer が物価高などで苦しい家庭を支えるため、不要な学校制服の回収・寄付を行なっているという話題です。全く知らなかったのですが、Marks & Spencer は、イギリスで年間約700万着の学生服を販売している学校制服の代表的なブランドなんだそう。コロナ禍の2021年以来、値上げせずに価格面でも家庭の支援も行っているんだそうです。最近、日本国内でも「制服が買えない」というニュースがでてきます。イギリスでも同じ状況が起こっているということですね。
▼M&S launches money-off kidswear for school uniform donation
https://uk.fashionnetwork.com/news/M-s-launches-money-off-kidswear-for-school-uniform-donation,1532922.html
Marks & Spencer の店頭で回収した制服は、しっかりと品質テストを行い、一定の条件をクリアしたものだけがチャリティーショップ(オックスファム)やebayにて販売されるそうです。基準に満たなかった制服に関しては、可能な限りリサイクルされるか、再利用されるとのこと。大手ブランドであり、小売店でもある Marks & Spencer の強みを最大限に活かした施策ですね。
実は、日本国内でも「制服」に特化した中古販売サイトはいくつも誕生しています。そうしたサイトと店舗が連携すれば、一気に「制服の再循環」が拡大するかもしれません。新しい制服を作って販売して終わりではなく、その先の「再循環」まで踏まえたビジネスモデルを構築することが重要になってくるのは間違いありません。
まぁ、「再循環」まで踏まえたビジネスモデル構築が必要なのは、制服メーカーだけではなく、すべてのメーカーなわけですが、いまだにそれに気がつけていない経営層が多いのは悲劇(いや、喜劇?)ですね。