児玉 千恵子

2022 08 Feb

伝統工芸品の新たな販路 癒やしのインテリアグッズ 繊研新聞 くらしのまわり

(C)DOMINANT C.KODAMA 今は寒さが厳しいが、春の陽光がまぶしくなると、小鳥たちは「愛のささやき」を始める。
 6日後には「バレンタインデー」が控えている。
 本命でも義理でも友愛でも、チョコに添えてパーソナルギフトを贈りたい人もいる。
 そこで、こだわりのインテリアグッズはいかがだろう?
 マスクをはずせない日常が3年目に入るから、室内に好みのインテリアグッズを飾り、その癒やしの空間で、時を忘れたい方は少なくないだろう。

 心の窓を照らす

 在宅勤務も含めたインドア生活が続いている20~21年にかけて、仕事環境の整備と快適さを求めて、家具を買い替えたり、インテリアグッズを購入したり、観葉植物を室内に飾るユーザーが増えている。
 備後圏の宮大工大田工房の会長は、コロナの終焉を祈る方々のニーズに応えて、玄関や狭いスペースに奉納できるミニ版の「神棚」の製作で、昨年の後半から今春にかけて、多忙を極めた。今春には、広島と岡山の百貨店から、屋上に奉納する社殿の製作依頼も承っていた。
 また、年初に伺った鞆の浦(福山市)のステンドグラス工房茜屋」では、去年から今年に入ってからも、ステンドグラスのランプシェードや置物、アニバーサリースタンド他が売れている。それら以外に、店舗の玄関や公共施設に飾る大きな作品の注文も増えてきているそうだ。
 いずれも長引くコロナ禍にあって、「心の窓を照らして欲しい」という、ユーザーの願望を満たしてくれそうな作品だ。
 
 歴史と伝統がコラボ

 「茜屋」は、ドライローズの色に似た、鞆の浦の町屋通りの古民家を改装して、経営者の横山貴子さんが始めたステンドグラスの工房で、16年目を迎える。鞆の浦の「海や空の色、山や、刻々と変化する自然」から閃いた、カラフルなガラスのモチーフで創られる作品は、コロナ禍以前も人気があった。
 大手旅行代理店に勤めていた横山さんは、イギリスを拠点に、ベルギー・フランス・スイス・チェコスロバキア・オランダに足を運び、それぞれの国の多様な文化や美術、伝統にふれてきたこともあって、彼女の作品からは、鞆の浦の歴史ある街並みと、欧州の伝統とが溶け合ったような光が放たれている。
 工房兼店内には、ピアスやネックレス、記念日のプレートも並んでいる。好きな色(癒やしカラー)のペンダントを身に着けたり、窓際に吊して楽しむお客さまもおられるとのことだった(詳細は、「好きじゃけぇ 鞆の浦」と「Visit 鞆の浦~11の物語」のサイトを)。海と空の色に触発されて、青緑色のキーホルダーをお守りとして購入してきた。(2/8 繊研新聞)

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