船橋 芳信
座禅の効用!
座禅の効用は何だろうか?
坐禅と言うとしかめっ面した陰気くさい、禅の教えの深遠なる修行僧のイメージが纏わり付く。
一年半続くと座禅の効用が、少し身近に感じ始めてきた。
僅か毎朝、15分から20分の坐禅では、未だ未だ偉そうな事は言えないのは判りきっている。
しかし、坐禅は確かに良い。先ず、姿勢が良くなる。姿勢が良くなると服が生きてくる。
服が生きてくると、着る事が楽しみとなってくる。坐禅は腹式呼吸の呼吸法の訓練でもある。
腹式呼吸が少し出来るようになってきてから、尺八が鳴り始めた。
あんなにスカスカしか鳴っていなかった尺八が、鳴っている。
そして肝心の歌が、少し上手くなってきたと友人から褒められてきた。
これでは、坐禅を辞めるやけには行かない。一呼吸10秒ももたなかった呼吸が、
20秒は保つようになった。長い息が出来るようになると、モット長く出来るようにチャレンジする。
長い息が出来ると言う事は、呼吸筋と呼ばれる肋間筋、横隔膜が鍛えられていると言う事である。
肋間筋、横隔膜が鍛えられると、自ずと肺活量が増えてくる。
肺活量が増えてくると、日頃落ち着きのある深い呼吸での生活が営まれる。
脳には呼吸体と呼ばれる部署と扁桃体と呼ばれる部署があるそうだ。
呼吸体は呼吸を司り、扁桃体はストレスを感じると心拍、呼吸、血圧を挙げ、ストレスに対応しようとする。
人間には血圧、心拍、脈拍、はコントロール出来ないが、
呼吸は、人間の意志の力で又訓練によって呼吸法を確立出来る能力がある。
それを手助けするのが、坐禅である。
呼吸体が、呼吸に専心している間は、扁桃体には何の働きも無い。
つまりストレスを感じないのである。
坐禅に依る呼吸の体得は、人生の価値ある物との遭遇のチャンスに、
満ち溢れているのを感じる今日この頃である。