上野 君子
2017
10
Dec
花を生ける暮らし
わが家はバルコニーにたくさんの植物があるので、常に何かしら花が咲いている。そういうこともあって室内に花を生けるということは、ごくたまにしかしていなかった。
室内には観葉植物がいろいろあるということもその理由だった。
ところが、最近、駅近くのJAの店に、切り花が手頃な価格で売られているのを発見したので、野菜を買うついでに私も時々その切り花を買うようになった。
たいていは1束200円とか250円という価格帯。通常の花屋では安くても500円位なので、これはかなりお得。
その種類は小菊や洋花のミックスなどいろいろ。この辺は都会と違って伝統的な風習が残っているので、通常の家庭の仏壇に飾る需要が多いのだろう。
先日は、思いがけず、水仙の束がいくつか売られていた。
わが家には仏壇はないが、和室の床の間にさりげなく飾るのにぴったり。
水仙といえば、年明けのまだ寒さが厳しい中で、早春を告げる花で、野生の水仙がそこら中に生えてくる。でも12月に水仙が見られるのは珍しい。おそらく農家の温室の中で育ったものなのだろう
早速、背の高めの花瓶に無造作に投げ入れて、置いてみたら、ちょっと強めの水仙の香りが部屋中に広がって、寒く凍えたような部屋が華やかになった。
切り花専門店でわざわざかしこまって買うのとは違って、もともと畑の隅の方に生えているような自然な感じの花が普段の暮らしには似合う。
これからも野菜を買う感覚で日常に取り入れたい。
しかも、テーブルの上などと違って、床の間という空間は日常から少し離れた感じがあるのもいい。
床の間といってもありきたりの和風ではなく、私は枝物や実のなるものが好きなので、下のような感じで楽しんでいる。曾祖父の書いた掛け軸と共に。
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