上野 君子
2019
19
Aug
8月は「死」を想う月
8月も終盤に差し掛かろうとしている。
ヨーロッパでは一般に、11月が「死者の月」となっているが、私たち日本人にとっては、8月がより死を想う月といえる。
広島、長崎の原爆投下、そして第二次世界大戦の終結。
多くの「死」が8月にある。
今年はジメジメした長雨の後にやってきた酷暑のせいで、より「死」が身に染みる。
個人的にいえば、下旬には4回目の母の命日がやってくる。母のいない生活がもう4年にもなるなんて。
ご高齢の方々、そしてその方々を介護されている方々にとって、夏は過酷な時季だ。
体力を消耗する暑さが、どうか鎮まってほしいと願うばかりだ。
先週の終戦記念日、8月15日夕方、私は普段SNSでつながりのあったある方からメッセージをいただいた。それはまさに死の床からの最期のメッセージであった。
数度にわたる癌や病気を克服しながらも、ついに医者から余命宣告を受け、その余命期限を悠々オーバーしている詳細な経緯を、数か月前に電話で伺ったが、その後もSNSの投稿を確認しながらホッとしていたのであった。
そのメッセージはこう結ばれていた。
「しぶとく生きるんですよ、しぶとく!さようなら!」
感謝の気持ちを伝えた後、スタンプのやりとりに、一度はリアクションがあったが、私の二度目のスタンプは既読にならない。
誰にでもいつかはやってくるその日まで、一生懸命生きていこうと思う。