上野 君子

2023 03 Jan

近視元年スタート

昨年11月の白内障手術で入れたレンズにより、長年の遠視から近視へと、視界が大転換した。
その不都合を医師に訴えると、「遠くに焦点を当てたレンズにしたのだから当たり前」という。
通院する眼科において、レンズの選択肢は、遠くに焦点を当てたもの、近くに焦点を当てたものの2種類だけ。どちらにするかと医師から聞かれた時、まず仕事のことを考えて「それは近くがいい」と即答したのは、はい、私です。

でも、こんなに遠くが見えなくなるようになるとは思ってもいなかった。
なにしろ、半世紀以上、眼の良さだけがとりえで、老眼で近距離中距離がぼやけてきてからも遠くはよく見えていたのだから。
良く見えるのは、せいぜい50㎝。それは私にとっての視界のごくごく一部。だいたい視界というものはほとんどが遠距離である。テレビもぼんやりしか見えない。しかも散歩が好きな私は、遠くの景色を見るのが大好きなのだ。
視界というのは本当に大切なもので、メンタル面にもたぶん姿勢にも影響しているだろう。
とにかく医師からはそういう変化の説明や助言は一切なかった。医師にとっては、とにかく眼の濁りを取ることが目的で、患者の生活面やメンタル面までは考えも及ばないのだろう。

まる1日あけて両眼を手術したので、片方が終わった直後にもう片方の眼と見え方を何度も見比べていたから、その違いは歴然としている。

そもそも白内障手術を決断したのは、眼鏡をかけるわずらわしさ(費用の負担も含めて)から解放されたいというものだったが、それは大きな間違いだった。
今回の手術後、なんと3つの眼鏡(中距離用の仕事用、近距離用の読書用、普段の遠くを見る遠距離用)を新調する羽目になった。
外を歩く時も周りがぼんやりしているのは嫌だから、生活のほとんどに眼鏡が必要になったのだ。
ちょっと強めの近視用眼鏡をかけながら足元を見るとちょっとゆがむこともある。まずは外の階段などで転ばないように気を付けなきゃ。

長年、近視だった人からすると、今までが贅沢だったと思うかもしれない。確かに恵まれていました。
今さら後悔してもしかたないので、これも何か意味があることと自分に言い聞かせている。あと20年ほどの後半人生、新たな視界を何とか楽しみたいと思っている。