宮田 理江
ユニクロ「LifeWear」2019-20秋冬コレクション・展示会リポート 機能とデザインが高いレベルで調和
「UNIQLO(ユニクロ)」の2019-20年秋冬コレクションが開催されました(2019年6月6日、7日)。「LifeWear」コンセプトがさらに成熟。シーンフリーに着やすいアイテムや、自在に着こなせるベージュ系の服が提案されています。新顔アイテムや新発想ピースを取り上げながら、コレクション全体をチェックしていきましょう。
デザインの本質を示した名言「形態は機能に従う(Form Follows Function)」は、アメリカの建築家、ルイス・サリヴァンの言葉といわれます。今回のコレクションはこの言葉を深掘りしたようなところがあります。「THE OUTDOOR」「WORK & CRAFT」「ART & DESIGN」という3つのテーマを掲げ、機能とファッション性を高いレベルで調和させる試みを推し進めました。
◆OUTER
アウターはボリューム感に変化が見られます。おなじみの「ウルトラライトダウン」にパフィな量感が加わり、ゆったりシルエットでめりはりルックを楽しめるように。コクーンシルエットが初登場します。逆に、ダウンベストの裾をウエストインしてコンパクトに着るスタイリングも提案されました。ライトな着心地の「シャツコート」は秋口から使えそうです。
◆FLEECE
発売25周年を迎えるフリース。肌触りのいい「ボアフリース」は、ウィメンズのテーラードコートにも生かされています。Vネックのジップアップカーディガンや、ブルゾンノーカラーコートなどもお目見え。一段とバリエーションが広がります。
◆KNITS
ニットウェアは上質感がアップしています。軽さと柔らかさを両立した新素材「スフレヤーン」が登場。伸びやかな着心地を実現しました。ニットのセットアップ「ニットアップ」は一般的なスーツよりもボディを締め付けず、「形態は機能に従う」を象徴するよう。オンとオフの境目を意識させない提案が多かったのも、今回の傾向でした。
◆BOTTOMS
ボトムスはワイドシルエットが一段と充実。着心地を重視する「コンフォート」の流れを背景に、新たに登場した「カーブパンツ」が注目株。腰周りはしっかりフィットしながらも、裾にかけてワイドなシルエットに。カーブのおかげで、脚が長くきれいに映ります。両足の内側に隙間ができるから、自然と脚が細く映るという、「技あり」の仕掛けです。
ボトムスの素材ではコーデュロイに光が当たります。エレガンスに向かうトレンドに沿って、スカートは長めのロングミディ丈が提案されています。マキシに近いロング丈のプリーツスカートは、裾下からレギンスをチラリとのぞかせ、縦落ち感の強いレイヤードも組み立てられます。
◆HEAT TECH
冬に頼れるヒートテックは「Alexander Wang(アレキサンダー ワン)」とのコラボレーションが示すように、外に見せて着るスタイリングが提案されています。外から見えないインナー使いではなく、「見せるヒートテック」です。レイヤードルックにも組み込みやすいよう、カラーバリエーションがいっそうJ豊富になっています。
◆LOUNGE WEAR
服にリラックス感を求める意識が強まってきたのを受けて、ラウンジウェアには、品ぞろえの厚みが増しています。カシミヤライクな新素材「ソフトニットジャージー」はソフトな肌触りで贅沢な気分に誘います。「ウルトラストレッチ」のウォームタイプは裏が起毛で、頼もしい温かさです。
Tシャツコレクションの「UT」は春夏だけでなく、秋冬でも本格的なボリュームで企画されています。ディズニーやマーベルの人気キャラクターがポジティブでファニーな気分をまとわせます。おそろいのキャラクターTシャツを着て、テーマパークへ出掛けるという楽しみ方も広がっているそうです。
◆UNIQLO U
クリストフ・ルメール氏の率いるチームがパリから発信する「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」からはパフィなアウターやコーデュロイ素材のストレートパンツ、ボックスシルエットのジーンズが提案されました。ベーシックを掘り下げ、機能美を引き出したデザインは、新シーズンのユニクロを象徴する出来栄え。穏やかな曲線を描くカーブパンツはヒットを予感させます。お得意のスモーキーな色使いも品格を感じさせます。
◆INES DE LA FRESSANGE
INES DE LA FRESSANGE(イネス・ド・ラ・フレサンジュ)のコレクションはブラックが初登場。これまではネイビーがキーカラーでしたが、ブラックが加わって、いっそうパリシックの風情に。アンバーやアイボリー、マスタードイエローなどのカラーパレットがノスタルジックなたたずまい。ダッフルコートやコーデュロイセットアップがレトロ感と洗練を演出します。
◆HANA TAJIMA FOR UNIQLO
「HANA TAJIMA FOR UNIQLO」のコラボレーションは9シーズン目を迎えました。女性ならではの強さと美しさに焦点を当て、メンズライクなデザイン要素も併せ持ったコレクションが提案されています。セットアップとして使いやすいアイテムが企画されました。デイリーウェアのラグジュアリーラインとして、シルク混のドレス、ブラウス、パンツも用意されています。
最後のコーナーには、ハイブリッドダウンの試着サービスが用意されていました。プロスノーボーダー・平野歩夢選手のアイデアからヒントを得た「ハイブリッドダウンシリーズ」は袖や裾に非ダウン素材を取り入れて、使い勝手を高めた新発想のダウンアウターです。動きやすいのに加え、温かさもアップし、型崩れもしにくくなるのだそうです。私もを試着して、AR(仮想現実)の映像で雪山を疑似体験。スノーボーダー気分を味わえました。
UNIQLO
http://www.uniqlo.com/jp/
~関連記事~
24時間、UNIQLOと一緒に ユニクロ「LifeWear」2019年春夏コレクション 展示会リポート
https://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/riemiyata/c6fac585-79de-44b1-8ce4-f37744b484bf
Written By Rie Miyata
*************
◆公式サイト「fashion bible」、ほぼ毎日更新中♪