宮田 理江

2018 03 Dec

24時間、UNIQLOと一緒に ユニクロ「LifeWear」2019年春夏コレクション 展示会リポート

「UNIQLO(ユニクロ)」2019年春夏コレクションの展示会が先週、開催されました。個別のアイテムにとどまらず、取り組みや見せ方などの面でも、目新しい点がありました。

展示会場に入ると、キールックがぐるりと時計の文字盤のようなレイアウトでディスプレーされていました。各ルックの背後には朝日に輝く公園や、日中の街角といった、時間帯の異なる風景写真。この時計風ディスプレーには「ユニクロの商品を身に着けて、24時間、過ごしてもらいたい」という思いが込められているそうです。

たとえば、朝のシーンでは、スリット入りレギンスの上から、ショートパンツを重ね穿き。ハーフ袖Tシャツの上に、ボディバッグを斜め掛けしたルックも軽快な着映えです。


一方、デイタイム用の装いはこれまで以上にコンフォート(着心地)のよさそうなアイテムが提案されています。体をを締め付けないのに、エレガントに映るルックがそろいました。色味ではパステルカラーもスモーキートーンで大人っぽい雰囲気。

軽いスプリングコートやノーカラージャケットを重ねた、春らしい雰囲気のレイヤードが打ち出されています。パンツにワンピースを重ねるスタイリングは大人女性も試しやすそう。全体的に奇をてらわない、着回しバリエーションの多い装いが用意されていました。

キーアイテムの1つにシャツワンピースがあります。シャツならではの「きちんと感」と、ワンピースらしい伸びやかなシルエットが同居していて、今のおしゃれマインドにしっくりなじみます。人気復活を遂げたレギンスもさらにバリエーション豊かに。

 

防風・防水機能に優れているのに加え、湿気を逃す高機能アウター「ブロックテック」は、ますます天候が不純になってきた近頃、一段と頼もしさを増しています。トーンを落とした、淡いスモーキーピンクを帯びたコートは上品な風情。ほのかにフェミニンが薫ります。

タウンユース(街中使い)がしやすいよう、シンプルなルックスに磨きが掛かっています。レッドやイエローなどの鮮やかなカラーも加わりました。ブロックテックモッズコートはウィメンズでの初登場になります。

 

正面が上から下までボタンで開け閉めできるスカートは、着回しの選択肢がいっぱい。お仕事ルックでは全部を閉じて、プライベートでは裾から2、3個のボタンを開けて、表情を変えられます。パンツやレギンスとの重ね着も楽しめそうです。

 

クリストフ・ルメール氏の率いるデザイナーチームがパリから送り出すコレクション「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」はロゴが変わりました。これまでの赤い文字から黒い文字に変更。

鮮やかな色やアースカラーが着姿を華やがせます。花柄も投入されています。丈が短めのコンパクトなニットトップスは若々しい印象。ボクシーなシルエットのショート丈Tシャツは色バリエーションが多く、いろいろな重ね着パターンが試せそうです。

プリント柄のワンピースは大胆なカラーミックスが取り入れられています。ブロックテックのアウターはミニマルでありつつ、美シルエット。コートとパンツのセットアップも用意されています。

スイムウエアは部分ごとに配色を変える「カラーブロック」が動きを添えています。帽子やバッグとも色がセットになっていて、ビーチサイドはもちろん、街中でもレイヤードに組み込みたくなります。サコッシュも元気感を呼び込みます。

 

デニムはユニクロがとりわけ強みを持つアイテムです。デザインのバリエーションが広がって、さらに自分好みの装いに生かしやすくなりました。地球環境への配慮から、製造プロセスに新技術を取り入れ、水の使用量を大幅にカット。いっそう環境にやさしいジーンズに進化しました。

これまでのシーズンにも増して、クオリティーの高さが感じられます。ロサンゼルスに置かれたJIC(ジーンズ イノベーション センター)から生み出される高品質デニムはさらに進化。あえて色落ちさせない「カラーステイジーンズ」も商品化されました。しっかりしたインディゴカラーのロウデニムも人気が続きます。ロングトレンド化しているハイライズも品ぞろえに厚みが増しています。

来春夏に人気が盛り上がりそうな新顔ボトムスの1つがショート丈のバミューダパンツです。サイクリングパンツ(バイカーショーツ)も街中使いが新トレンドとして有望視されています。ジーンズのバミューダ丈はキュートでアクティブ。クロップド丈もシルエットに磨きが加わりました。

 

ルームウエア、ラウンジウエアは今回、新提案が目立ったカテゴリーです。全体に見られるのは、そのまま外に着て行けるような洗練度のアップです。街中での視線に耐えるデザインが施されたタイプが増えました。伸縮性が高く、ボディになじむつくりはそのままに、街中でもリラックス感を味わえる仕掛けです。

 

街着対応の象徴的に映ったのはパジャマ。開襟シャツとゆったりパンツのセットアップといった見え具合の組み合わせになっています。ストライプシャツと無地パンツのパターンでは、上下を別々に使えます。トップスはボーダー柄カットソーも用意されています。ご近所使いの「ワンマイルウエア」とも位置づけられていて、「24時間」のメッセージを最も印象的に伝える提案と映りました。

 

紫外線が気になりやすい春夏はUVカット仕様の出番が増えます。ロングカーディガンは自然な落ち感があります。コートやスウェットパーカにもUVがしっかり施されていました。

 

「感動パンツ」は「KANDO Pants」に呼び名が変わりました。グローバル商品としてもさらに期待されているようです。

 

「リラコ」はロング丈が現れました。落ち感が加わり、街着使いを試しやすくなっています。ロング、ミドル、ショートという3種類の丈バリエーションがそろいました。ルームウエア、ラウンジウエアはエレガントさが増しました。

 

「HANA TAJIMA FOR UNIQLO(ハナ タジマ フォー ユニクロ)」では肌を隠しながらもエレガントでしなやかな着姿に導くアイテムが用意されています。陽射しが気になるシーズンに取り入れたい提案です。巧みなスカーフ使いが目に留まりました。長袖トップスはサラッとした肌触りの素材で快適に過ごせそうです。サンドカラーはトレンドカラーとして期待されています。

 

世界的なファッションアイコン、INES DE LA FRESSANGE(イネス・ド・ラ・フレサンジュ)氏と組んだコレクションはハッピー感の高い雰囲気に仕上がっています。フランス南部の港町、サントロペを思い浮かべ、幸福な休日や自由な時間を感じさせるような、リラックスした装いにまとめ上げています。

お得意のネイビーをベースに、キャラメルカラーも活用。ほのかなリゾート気分を呼び込んでいます。キッズラインも同じテイストで用意されているので、親子での「リンクコーディネート」も試しやすくなっています。

 

グラフィックTシャツラインの「UT」は引き続き、世界の有力アーティストとのコラボレーションアイテムが数多く企画されました。ウォルト・ディズニー・カンパニーとの「MAGIC FOR ALL」プロジェクトでは、スクリーンデビュー90周年を迎えるミッキーマウスのスペシャルコレクションが実現しました。日本のカルチャーからは酒蔵をイメージした「SAKAGURA」が初登場。ブランドとのコラボでは、日本発のお菓子が題材に選ばれ、明治、不二家、森永のお菓子がモチーフに。キュートなペコちゃんもプリント柄としてあしらわれています。

 

「1年を通してのスタンダード・インナー」と位置づける「エアリズム」では、ウィメンズに8分袖が加わりました。UVカット機能付きの長袖も誕生。ブラトップにはVネックが登場。左右のカップがつながったおかげで、安定感が増したのもうれしいニュースです。

 

会場では通常のコットンと比較する大型の実験展示が目をひきました。エアリズム生地とコットンをそれぞれゲレンデに見立て、その上をスノーボーダーが滑り降りることによって、なめらか度合いを比べるという実験です。エアリズム素材への自信がうかがえました。

全体を見渡して感じられたのは、着る人の気持ちになじむ、使い勝手のよさです。「24時間」というメッセージが示す通り、シーンを選ばない自在のスタイリングに役立てやすいアイテムがそろっています。「毎日の生活をより素敵に、より快適に過ごすための服」という、「UNIQLO LifeWear」の哲学は来春夏のアイテムでさらに鮮明に打ち出されているように感じられました。

 

UNIQLO
http://www.uniqlo.com/jp/

 

Written By Rie Miyata

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