栗田 亮
結局「アパレル」「ファッション」「トレンド」の違いって何ですか?
今回はまとめです。
ここまで、「アパレル」と「ファッション」と「トレンド」の意味の違いについて考えてました。
「アパレル」と「ファッション」には共に「衣料品」という意味があり、「ファッション」と「トレンド」には共に「流行」と言う意味がありました。また、「アパレル」は既製服という意味が強く、常に「流行」を意識せざるを得ません。
3つの言葉の意味が混乱しがちなのはいかにも当然で、その事情は英語圏でも同じでした。
ではどうしたらスッキリ理解できるでしょうか。
そのためには、3つの言葉が持つ、「視点」の違いに注目するのが良いと思います。
アパレル
「アパレル」はもともと衣料品の意味ですが、特に既製服を意味します。お店に並んで売られている衣料品が「アパレル」です。婦人服、紳士服、子供服、礼服、スポーツウェアといったように「機能」で分類されます。Tシャツ一枚でも「アパレル」です。
「アパレル業界」は「既製服業界」のことです。したがって「アパレル」という言葉は、既製服のビジネスに関わっている人たちが主に使います。
「アパレル」という言葉には「業者」の視点が入っています。
ファッション
「ファッション」は、もともと流行という意味で、そこから衣料品に意味が広がりました。さらに靴や髪型や服飾品や化粧品なども「ファッション」の範疇に入るようになりました。
それらを組み合わせて作られた、新しくて魅力的で、みんなが真似したくなるようなスタイルが「ファッション」です。必ず発信源があり、模倣者がいます。デザイナーやセレブやストリートの若者などといった影響力のある人が発信しになり、それをみんなが真似するのが「ファッション」です。「ファッション」は時代と場所の制約を受けます。そして何か意味を表現しています。一枚のTシャツであってもそこに表現があり、それに共感する人があれば「ファッション」になります。
「ファッション」という言葉には「表現者」の視点が入っています。
トレンド
「トレンド」は、もともと「旋回」や「回転」を意味す言葉から発展し、「情勢が変化・発展する際の大まかな方向」を意味します。趨勢、動向、流行、ファッションなどの意味を含み、最近ではSNSで人気の話題も「トレンド」といわれます。
「ファッション」業界では、期間を区切って人気のある「ファッション」が「トレンド」です。スマイルマークが付いたTシャツは1970年代初頭の「トレンド」です。
「トレンド」という言葉には「観察者」の視点が入っています。
こういう風に整理すると、3つの言葉の違いがわかりやすいと思います。
まとめ:結局「アパレル」「ファッション」「トレンド」の違いってなんですか?
「アパレル」「ファッション」「トレンド」は、その言葉を発する人の立ち位置、「視点」が違うと考えるとわかりやすい。
「アパレル」=「業者」の視点が入っている=ビジネス志向
「ファッション」=「表現者」の視点が入っている=クリエイティブ志向
「トレンド」=「観察者」の視点が入っている=マーケティング志向
同じものを見ても、その人の立ち位置の違いで見え方は大きく変わってきます。
願わくば、3つの視点で、物事を見る習慣を身につけたいものです。
ころで、このブログはアパレルウェブの「トレンド」というカテゴリーに入っていますが、ここまで「トレンド」に関することはひとつも書いておりません。
今後も書く予定はありませんが、どうしたものでしょうか。
。。。。
今日はここまで。
(キンコンカン)