久保 雅裕
南仏の香りと百年の月あかりに包まれる秋 ― ホテル椿山荘東京の新しい贅沢体験

(写真/ホテル椿山荘東京提供・筆者撮影)
都心の真ん中にいながら、森に迷い込んだような静けさと四季の移ろいを楽しめるホテル椿山荘東京。この秋は、訪れる人を特別な世界へと連れ出す二つの企画が用意されている。ひとつは、南仏・プロヴァンスの香りに浸れるロクシタンとのコラボレーション。もうひとつは、庭園のシンボル・三重塔が移築から100年を迎える節目を祝う幻想的な演出「TOKYO MOON」だ。
香りと光、そして時間までも味方にした椿山荘東京の秋。今回はその魅力をたっぷり紹介したい。

ロクシタンの香りとフレンチが紡ぐ、秋の一夜
プロヴァンスの自然から生まれたフレグランスブランド「ロクシタン」。その香りの世界を、ホテル椿山荘東京のシェフやパティシエが料理に込めたのが「ロクシタン フレグランスディナー&スイーツ」だ。
総料理長・十代雅之によるフレンチは、ラベンダーやヴァーベナ、金木犀など、南仏の草花を思わせる一皿一皿。羊肉のローストや真鯛のフィレといった本格的な料理に加え、香りをイメージした自家製パンも登場する。



デザートは、若きパティシエ・栗原夢美が手がける7種類。ベルガモットジュレやシトラスヴァーベナのシャーベットなど、見た目も鮮やかで遊び心にあふれている。アルコール・ノンアルコールの特製カクテルとともに、まるで新しい香水を纏うように味わえるのが魅力だ。




さらに宿泊プランでは、ロクシタン仕様のベッドリネンで彩られたスイートルームや、ラベンダーの香りに癒されるギフト付きプランも用意されている。スパでは金木犀の香りをまとったオリジナルトリートメントを受けることができ、心と体を解きほぐす時間を約束してくれる。




庭園に現れる「香る、東京雲海」
椿山荘東京の代名詞でもある霧の演出「東京雲海」。この秋は金木犀の香りをまとって登場する。黄金色の花を思わせる甘い香りに包まれながら、霧が庭園を漂う様子は、どこか夢の中の景色のよう。夕暮れ時から夜にかけて、庭園を歩くだけで季節の深まりを五感で感じられる。

三重塔100年を祝う「TOKYO MOON」
一方、秋の夜をさらに幻想的に演出するのが「TOKYO MOON ~雲と百年の月あかり~」。幽翠池に霧を噴き上げ、その水面に「雲海スクリーン」を作り出し、そこへ月の映像を映す人気演出だ。

今年は三重塔が東京に移築されてから100年という記念の年。これを祝して、約7分間の演出の中で月が満ち欠けし、最後にはスーパームーンが姿を現すという新しい仕掛けが加わった。池の向こうに浮かぶ月、その奥にそびえるライトアップされた三重塔。その風景は、まるで時間が止まったかのように観る人の心を奪う。
「観て・味わい・持ち帰る」お月見体験
TOKYO MOONに合わせて、お月見を楽しむプログラムも充実している。
お月見イブニングハイティーでは、三段のオードブルスタンドとシェフ特製のローストビーフ、さらにうさぎのクッキーや柿を使ったパンケーキなど、秋の味覚が満載。

MOONヨガは、空中庭園「セレニティ・ガーデン」で月光とシンギングボウルの音色に包まれる特別なひととき。

さらにホテルショップでは、洋梨とキャラメルのスイートポテトを販売。自宅でも“お月見気分”を持ち帰ることができる。

庭園を散策して月を観る、レストランで旬を味わう、スイーツを持ち帰る。この3つの楽しみ方で、椿山荘東京は「都会で最も贅沢なお月見」を提案している。
都会のオアシスで過ごす秋
1952年の開業以来、ホテル椿山荘東京は「都会のオアシス」として人々に愛されてきた。庭園には春の桜、夏の蛍、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の自然が息づく。そしてその中心に立つ三重塔は、室町時代の部材を用い、1925年に広島から移築された歴史ある建造物だ。
今回のロクシタンとのコラボレーション、そして三重塔100周年を記念したTOKYO MOON。二つの企画は、過去と未来、自然と文化をつなぎ、訪れる人に特別な時間を届けてくれる。
南仏の香りに浸りながらフレンチを味わい、金木犀の雲海を歩き、夜には月と三重塔が織りなす幻想の光景に酔いしれる。ホテル椿山荘東京が用意したこの秋の舞台は、都心にいながら非日常へと旅立たせてくれる。
この季節にしか出会えない贅沢な時間を、あなたも体験してみてはいかがだろうか。