久保 雅裕

2018 08 Oct

チャオチャオの感覚で大賑わいのミラノ・トレードショー

ホワイト・ミラノ

2019年春夏ミラノファッションウィークでは、2018年9月21~24日に4つのトレードショーが開かれた。

ホワイトビューティー

最大規模を誇る「ホワイトミラノ(WHITE MILANO)」は565社を集め、ポルタ・ジェノバ駅近く、トルトーナ通りの4つの番地にある複数の建屋を使って展示した。美容や香水、コスメなどを集めたコーナー「ホワイトビューティー(WHITE BEAUTY)」やビーチウェアなどの「ホワイトビーチ(WHITE BEACH)」、アバンギャルドなクリエーターの集積「ベースメント(BASEMENT)」、コスチュームジュエリーの館「ホワイトビジュー(WHITE BIJOUX)」などのゾーンもあり、総合性と専門性の両面を網羅した総合展示会の様相だ。来場者も多く、少なくともパリのトレードショーよりは賑わい感で上を行っているようだ。

ラド(WRAD)」はブランド名というよりはプロジェクト名と言った方が良い。エシカルかつサスティナブルな活動を行っており、製品としてはリサイクル・リメイクやベジタブルダイ、オーガニック、アップサイクルなど様々なアプローチで、「CNMIグリーンカーペットタレントコンペティション」の5つのファイナリストにも選出された。

同じくトルトーナ通りでは、ピッティ・イマジネ社による「シューペル(SUPER)」が104ブランドを集めて開かれた。中2階には、アバンギャルドな新進デザイナーのゾーンを設置し、小型のトレードショーとして快適な空間を演出していた。

ヌー・エテュディオンズ(NOUS ETUDIONS)」は、4年前にスタートしたアルゼンチンのブランド。デザイナーのロミーナ・カルディーロ(ROMINA CARDILLO)は、サスティナブルやビオ・ライフスタイルをテーマに50型ほどを制作している。今シーズンはマッシュルームから作った素材を使用したという。エラスティックに見える素材感とカラーの意外性、ビッグシルエットで「ピッティ・イマジネ・ヴォーグ・タレンツ」に選出された。

一方22~24日の3日間、秋冬物を即納できるというトレードショー「ブラック(BLACK)」も同じトルトーナ通りで16ブランドを集めて開かれた。

ミルタビジュー(MIRTA BIJOUX)の「ボールズマニア(BALLS MANIA)」は、球状のパーツをバッグやネックレス、ブレスレットなどに使い、数多いカラーサンプルから選んでカスタマイズできるというもの。工房ならではの背景で、即納体制とカスタムが可能となっている。

ジ・ワン・ミラノのニュージェン

見本市会場「フィエラ・ミラノ・シティ(FIERA MILANO CITY)」で開いたのは「ジ・ワン・ミラノ(THE ONE MILANO)」。12ヶ国から140ブランド(うち海外45ブランド)を集め、中堅プレタポルテを中心にミドルレンジのブランドが集まっていた。また新進ブランドのコーナー「ニュージェン(NEW GEN)」も設置されていた。

ホワイト・ミラノ

ホワイトとスーペルは、大変な賑わいを見せており、パリのそれとは大きく雰囲気も異なったが、ビジネスとして活況なのかは疑問だ。それは前週に開かれたミカムも同様で、イタリア国内からの来場が大半を占め、ドメスティックな商売の場としての盛り上がりとイタリア人特有の集まり好きで「チャオ、チャオチャオ」の感覚なのでは?と冷ややかに見てしまうのは、私見の領域である。悪しからず。⇒パリのトレードショー記事はこちら