久保 雅裕
コムデ、ヨウジ、イッセイは東京へ帰れ!
※本文と写真は関係ありません。
トムブラウンの19年春夏ショーより
パリコレが終わった。帰りの機内でこれを書いているのだが、随分以前から思っていた事を敢えて文字にしてみようと思い起った。もちろん、同じ事を書いたり述べたりしている方も多いだろう。
結論はタイトル通り、この3大日本ブランドに対して「コレクションの発表場所を東京に移してほしい」という事だ。そんな大層な事を書ける立場でも無く、いやむしろ単なる遠吠えのような話なのだが、何故そう思っているのかを述べたい。3人とも日本を代表するデザイナーとして世界に君臨し、今も尚その影響力は大きなものがある。多くのジャーナリスト、バイヤーがショーを観に来る吸引力を持っている。もちろん今回のパリコレでは、セリーヌやグッチなど注目されるコレクションが数多あったが、彼らのショーには、いつも期待と羨望が集まっている。
ヨウジヤマモトの蹉跌はあったものの現在、それぞれ、それなりの企業として成り立っている。企業や個人としての成功は既に成し得たと言っても良いはずだ。では、彼らに足りないものは何なのか? それは母国への彼らなりの貢献だ。もちろん日本という国を美的観点から高めたという功績は大きなものだ。成功したのは世界であって相手は世界だという考え方もあるだろう。しかし、間違いなく日本と日本人に支えられて大きくなってきた事も忘れてはならない。世界の耳目が最も集まるパリコレだから発表する価値があるという意見もあるだろう。だが、東京では観てもらえないからパリに多くのデザイナーが、発表の場を求めるのであって、彼らは最早そのレベルではない。もし筆者が求めるように、3つのブランドが発表の場を東京に移せば、世界から多くのジャーナリスト、バイヤーも来る事になる。ついでに他のデザイナーも観てもらえる事になるだろう。ひいては東京ファッションへの認知度も高まり、街としての東京への注目度も上がるだろう。
2020に向けて、どうだろうか。そんなサプライズな決断をしてくれないだろうか。と戯言を述べてみた。どうせ、届かない声だけど許して(^-^;
企業の社会的責任という受け身の言葉ではなく、能動的な社会的使命のようなものを全ての企業や個人が持つ事が大切だと信じている。その一つの発露がそんな形であっても良いのではなかろうか?