久保 雅裕

2018 14 Jun

マルジェラ展は7月15日まで、パリに行くなら是非 !!

少し古い話で恐縮だが、今年3月のパリファッションウイークの時に、イヴ・サンローラン美術館とマルタン・マルジェラの回顧展『Margiela / Galliera 1989-2009』を訪れた。

個人的には2014年に国内上映された映画『イヴ・サンローラン』の公開前にサンローラン役を演じたピエール・ニネにインタビューしたことを思い出す。赤裸々なヒストリーからパートナーのピエール・ベルジェとの関係性が深堀りされていた。ニネが本当にクリソツで、繊細で神経質な様子や仕草まで、絶妙な演技だったことが高く評価されていたことを覚えている。

さて、そのサンローラン美術館の方は昨年10月にリニューアルオープンし、作品展示からヒストリーの紹介、ビデオ上映、再現されたアトリエまで堪能できる作りになっている。写真にあるようにアトリエの書庫には、多くの日本の書物も収められている。こちらは常設展なので慌てる必要はないが、

マルジェラ展の方は、ガリエラ美術館で特別展として開かれており、7月15日までと会期末が近づいている。「こんなギリギリになって紹介するな」とお叱りを受けそうだが、書かないよりマシかと思って…(^-^ ; 。さてさて、3月から開かれているマルジェラ展はというと、この人が現代のあらゆるトレンドを提起し続けてきたことが順路に従って歩いて行けば行くほど、リアリティーを持って迫ってくる。今流行りの「ニューボリューム」ですら、回顧的に見えてしまう。「革新性」という言葉がぴったりとくるデザイナーのひとりだと言えよう。

サンローラン美術館は、メトロ9番線、アルマ・マルソー駅から徒歩5分程度で、そこから歩いてすぐにガリエラ宮がある。この2つ、まとめて観に行くことをお勧めする。ガリエラ宮からは同じ9番線のイエナ駅まで徒歩5分程なので逆ルートでも良いかも。

メンズファッションウイークやプレコレ時期にパリに行く機会があり、まだ訪れていない方は、マルジェラ展に関しては最後のチャンスとなるかも。

イヴ・サンローラン美術館 5 avenue Marceau 75116 Paris

ガリエラ美術館 10, avenue Pierre Ier de Serbie 75116 Paris