久保 雅裕

2018 13 Oct

イタリアワイン三千年から六千年に変更

イタリア大使館貿易促進部が「イタリアワイン六千年」記者会見を開いた。併せて漫画家のヤマザキマリ氏による講演が行われた。タイトルにある通り、今年から従来「三千年」と称していたものが、昨年シチリアで6000年前のワインの痕跡のある壺が発見された事により、呼称を変更したものだ。

会見で、ジョルジョ・スタラーチェ駐日イタリア大使は、「日EU経済連携協定(EPA)の発効により関税が15%からゼロになる好機と見ている」と述べつつ、2017年の瓶詰めワインは昨年比10.2%増、18年上半期でも14.2%増と好調に推移している事を強調した。またイタリアワインのブドウ品種が500もあり、世界に類を見ない多様性がある点や近年、米国をはじめとしてプロセッコやスプマンテなどのイタリアの発泡酒がアペリティーボの習慣と共に流行の兆しがあり、「日本でもこの流れを広めたい」と希望を述べた。

続いてアリスティデ・マルテッリーニ貿易促進部長が同キャンペーンの概要を説明。8年前から始め、秋のみの開催だったものを通年のキャンペーンへと今年から変更し、68のイベントを北海道から鹿児島まで全国で予定しているという。生産者を招いてのディナー会や百貨店催事、各州やインポーターによるセミナー、試飲会などが広く行われる。またポスターやクリアファイル、読本「美味しく楽しいイタリアワイン」の配布も予定している。

ヤマザキマリ氏は、6000年前と推定されるギリシャの植民地だった南部イタリアで地中海交易の重要な運搬道具だった「アンフォラ」(壺)にワインの痕跡が見つかったことの意義と、当時のワインがアルコール度数も高く、お湯で薄めて蜂蜜を入れて飲んでいたことや公衆浴場で風呂上がりに飲んでいたことなども紹介。流石「テルマエ・ロマエ」の作者だ。さらに「エルトリア人の時代には貴金属交易で儲け、腹が出ていたのはワインを飲んでいたからと推定される」とも話した。また「寿司を食べる際にスパークリングワインが合うと思うのだが、なかなか置いていないので、是非とも寿司屋にもプロセッコを広めてほしい」と希望を述べた。