久保 雅裕

2019 30 Jan

トレードショーの意義を感じられたメゾン・エ・オブジェ

ノール見本市会場のparc des exposition駅はには雪が吹き込んで来ていた

2019年1月22日、久しぶりのパリの雪景色。それはそれで風情があるものなのだが、やはり移動手段の心配は絶えない。

インテリアライフスタイル総合見本市「メゾン・エ・オプジェ(Maison et Objet)」はシャルル・ド・ゴール空港手前のノール見本市会場で開かれる。いつもRER・B線で30〜40分程なのだが、やはり雪の為、ノロノロ運転。午後にはクチュールのショーの為に市内に戻らねばならない。ちと焦る^_^。そんな交通事情の中、最終日を迎えたメゾン。出展者は搬出作業に対する不安で、さぞヤキモキした事だろう。

ポーランドの木の玩具「WODDEN STORY」

フランスの玩具大手「Kaloo」いずれもキッズゾーンに出展

さて、1年ぶりの来場とあって、ホール構成が大きく変わったと聞き及んでおり、まずはマップと格闘。以前は、取材先の中心だったファッションアクセサリーとキッズ関連がホール6近辺にあったのだが、それぞれ4と3に移ったようだ。

洋服はリゾートウェアが目立つ

ファッションアクセサリーでは一部洋服も目にしたが、ほとんどがエスニックリゾートタイプのジャンルで、やはりモードとは程遠い存在だった。しかしアクセサリーやバッグの一部には、デザイン性も高く、モード分野でも十分闘える商品も見られた。但し、この辺りがファッション系の展示会に出てきても正直、埋もれてしまうのではないかとも思われた。

靴下の「BONNE MAISON」は、ファーストセッションの「フーズネクスト」、メゾン・エ・オブジェ、セカンドの「プルミエールクラス」と全てのトレードショーに出展している

カラフルで目を引く「THOTMEA」

そんな中、目に留まったのはザイールの民芸から作り出されるウォールアートや籠、敷物、テーブルなどを紹介している「ソトメア(THOTMEA)」とハイチのアーティストがドラム缶を加工して作る壁飾りの「アンヌ・ミュッシ・コレクション(ANNE MUCCI COLLECTION)」。ハイチの大地震をきっかけに「現地のアーティイストに仕事を」という観点からスタートしたブランドだ。どちらもフェアトレードをキーワードにエシカルな視点からアプローチしている。

手作りのレリーフが並ぶ「ANNE MUCCI COLLECTION」

またメゾンには早くから日本企業がたくさん出展しているが、今回も彼方此方で散見できた。北斎をテーマにタオルを出展した「丸眞(MARUSHIN)」。その他にも下の写真のように歩けば棒に当たるほど出展している。(^-^;

「北斎」タオルの丸眞

いつもファッションのトレードショーよりは賑わっている同展を訪れると、海外進出の方法論としてのトレードショーは、やはり健在なのだなと感じながらも、ITの活用による第2のアプローチ手法や直販方法(B2C)の開発を常に視野に入れておく必要もひしひしと感じた。