久保 雅裕

2020 23 Jan

ストライキの余韻で大荒れのパリメンズ

「ヘンリック・ビブスコフ」はいつもユニークなショーを見せてくれる

12月5日から始まったパリのメトロや近郊線のストライキが年明けても収まらず、ついに2020年1月のパリ・メンズコレクションの時期にも40日を超えて行われた。ストの理由はマクロン政権の年金制度改革への反対なのだが、その中身については一般紙に譲るとして。

先月に比べれば、だいぶ緩和され、間引き運転と一部運休へと変わったのだが、前日の17:30に発表されるRATP(パリ交通公団)のサイトで晩にチェックし、翌5:30の発表で変更を確認して出掛ける日々となった。

そんな中、出張者の間でとても重宝したのが、『地球の歩き方』の特派員ブログに毎日更新され掲載された日本語の交通情報だった。基本的にはRATPのサイトから翻訳されたものなのだが、やはり日本語で読めるのは有り難く、素早くチェックできた。使命感を感じる素敵な行動だと思う。

さて、一番憂慮されたのは6、12、13号線の日中の不通。西半分のセーヌ川を超える路線だから、ショーの中心地「パレ・ド・トーキョー」のあるイエナ駅や「シャイヨ宮」のあるトロカデロ駅へと左岸から向かうのが困難だ。更にはイエナ駅の9号線も週前半は不通時間があり、バスなどで向かうしか無かった。

フーズネクスト初日の『地球の歩き方』特派員ブログの交通情報

いくつかの線では朝夕のみの運行が多く、フーズネクストが行われたポルト・ド・ベルサイユ駅に向かう12号線は展示会初日、大幅に制限された。10:30~16:30運休と日中動かず、2日目には夕方17:30には運休となってしまう為、それ以後はトラムで他の路線まで東西どちらかへ移動し、北上して市内に向かうしかない。なんともはや。

フーズネクスト2日目の『地球の歩き方』特派員ブログの交通情報

メンズコレクション期間中、結果としては①遠回りしなければならず、間に合わない、②間引き運転で遅れ遅れのダイヤに激混みで乗れない、③バスの移動も市内渋滞(これもストの影響)で間に合わない、④使いたい時にシェア電動キックボードが見つからない。以上のような環境下で結局10本ほどショーやイベントをスキップせざるを得なかった。

余談になるが、オートクチュール・ファッション連盟がショー間やコンコルド広場とパレ・ド・トーキョーを結んだ電動バスがなかなか可愛い。環境問題を意識して昨年から大型バスに替わって導入されたのだが、小さくて揺れが大きく、殆ど座れないとやや不満の声も聞かれる。これも環境の為と思えばよしとしようじゃないか。ただ腰が辛い。トホホ。

エッフェル塔バックの電動バス

19日の日曜日にメンズが終わり、翌月曜日からオートクチュールが始まるとともに、やっとほぼ正常に戻ったメトロの運行。クチュールのような優雅なデフィレ(ショー)のように余裕が戻ってきてホッとした^_^

なんて書いているうちにRATPから1月24日の金曜日、デモでシャンゼリゼ通りの駅が閉鎖と発表された!これでまた6、9、13号線への乗り換えもできない!またまたトホホなパリ取材が続く。