久保 雅裕
大手セレクトショップでポップアップストアを開催 SOLEIL TOKYO
アーバンリサーチ神南店
百貨店から「ポップアップや催事に出ませんか」という声を掛けられたブランドは数多く居るだろう。一方でセレクトショップは、自社で既に仕入れしているブランドのポップアップストアはやっても、仕入れていないブランドのポップアップは、あまり見受けられない。それは実績ベースの方が、結果が見通せ、かつ安心感があるからだ。セレクトショップの優れたバイインク力により、自店の顧客ニーズに合わせて提案できる商材を選ぶ力には比類無きものがあると思う。しかし、バイヤーと言えども人間。盲点はあるものだ。そこを補完できないかと思い付いたのが、セレクトショップにおける合同ポップアップだ。仕入れるには決定的な要素がまだ足りないと思っても、意外と顧客ニーズにマッチするものがあったりして、ふと気が付く盲点を見つけ出すチャンスになるのではと考えた。
このような視点から多くの大手セレクトショップの協力を得て、筆者がプロデュースに係わるトレードショー「SOLEIL TOKYO (ソレイユトーキョー)」の合同ポップアップストアを実施する。現在公表できる店舗は、アーバンリサーチ実店舗とEC、フリークスストア神南店、 シップス神南店など。これから続々と公表していく予定なので、Facebookでチェックしてもらいたい。
またデベロッパーや百貨店とのポップアップストアもラフォーレ原宿2階コンテナ、ニューマン新宿、松屋銀座が決まっている。
さて、ソレイユトーキョーの基本コンセプトには、通常の合同展に出る費用を削り、更にサンプルをキャリーケースに入れて会場に持ってくる事で、個展と同じ機能を果たし、個展で掛かるギャラリー費用も削ることを目指している。そして、その浮かせたお金で在庫を作り、ポップアップストアで、どの商品に当たりがあり、どの部分が受け入れられるのか、直接、消費者の声を拾っていこうという考えがある。こうして消費者との接点を増やし、自らのブランドに磨きをかけられるような気付きを得る事を目指す。同時にEC展開を含めた直接販路の拡大の手助けにもなるのではと思っている。
セレクトショップの側でもメリットがあると考えている。それは、バイイング権限のない販売スタッフにも会場に来てもらい、バイヤーと一緒に選ぶ事で、自店で売れそうな物をリスク少なく店頭に置け、自らセレクションしたという自負からのモチベーションアップにも繋がると考えた。当然、そこで売れれば、次のバイイングに繋がるという点でも、ブランドと店側の両方にメリットがあるのではないだろうか。
店側にとって、新しいブランドに挑戦しづらい経済環境が続いている中、ブランドと店・消費者を繋げる様々な工夫と取り組みが必要だと思う。ハードルを下げるための提言の一つとして旺盛に取り組んでいきたいと思っている。
ラフォーレ原宿