北川美智子

2024 16 May

第1回 FabricaNippon 2025 S/S展 3月21~22日  於 東京都立産業貿易センター

テーマ COMFORT―心と身体を快適に―
 日本の各産地からものつくりの拠点となっている機やがコラボし合って新しい提案を行うという展示会が行われました。
 参加は10社と2グループ(5社)。
 産地は山梨(3社)、尾州(5社)、米沢(2社)、北陸(福井)(2社)、湖東(滋賀)(1社)、遠州(1社)、足利(1社)となっています。
 会場内は大きくビジネスゾーン(広く自社の製品を訴求し、他産地や他社との違いや特徴をアッピールしビジネスに繋げていく)と、マーケットゾーン(より消費者に近づいた視点で日本素材の良さを訴求。来場者との積極的なコミュニケーションを行う。実売可)に分かれました。
 双方で産地間の交流や商品開発に繋げ、より効果的なビジネスを狙っています。
 特にビジネスゾーンではアパレルデザイナーがモノ作りに於いてターゲットとしているものを探り、話し込みをし,より緊密な関係を目指していくこと、他にはない機やとしてのこだわりや凝ったもの、オリジナリティーの高いものの提案を行うことが特徴と言えます。

 会場では COMFORTのテーマに沿ったキーワードと素材の提案が提示されました。

 

 

 各展示の中から幾つかの提案をご紹介します。

(有)ワダノブテックス  足利産地
 装飾性の高いトーションレースを得意とするメーカー。
 今回は加藤テキスタイル(尾州)とのコラボにより、ファッションツィードのレース地を制作。
 春向けのジャケットに好評。
 その他リボン状のレース、帯状のレースを繋ぎ合わせたテキスタイルを「トーテック」の商標でアパレルと取り組んでいる。

 

 

五大(株)  尾州産地 一宮
 徳利とするメンズ用素材をレディスに活用し新しいジャンルを開いた。
 三宅一生やコシノヒロコブランドに登用される。

・綿麻カラミ  C55/L45

・ウール麻ヘリンボン  W55/L45

・麻混ドビー   L50/P50

・ウールトロタンブラー  W100

・ウール麻タンブラー   W50/L50

 

 

木村員毛織(株)  尾州産地  一宮
 表情豊かな強撚を中心とした春夏アウター素材。
 特にウールとの交織が得意。
 夏の綿麻も定着。

・麻ウールビッグチェック  W69/L27/N4

・ギマ風カラミ  C100

・サークルジャカード  C48/L52

・シルクウールストライプ  W72/R13/S14/Pu1

・シャドーチェック   C62/R13L21/N3/Pe1

・強撚タンブルビッグチェック   C47/W42/N11

・綿麻ビッグキャッチ   C50/Pe35/L15

 

 

布のえき  (株)山崎ビロード (株)ウエマツ   北陸産地  福井
 特殊で複雑な織物の染色や加工を得意とするウエマツと表情豊かで手触りの面白さを持つベルベット類を手掛ける山崎ビロードのコラボによるオンリーワンベルベット。

・ろうけつのように見えるムラ染め

・綿麻のベルベット    C50/L50

・ランダムベルベット    P100

・豊かな表面感    P15/Ace85

・しっかりとした手持ち感   C100

・和紙の膨らみ感  紙(グランド)60/C40

・紙のような加工、樹脂プリント  Pe100

 

 

糸の音  (株)川栄 (株)槇田商店 武藤(株)  山梨産地
 糸の音の3社は絹を中心とした複合織物で知られる富士吉田産地で期待される機やである。
 洋服のみならず小物、アクセサリー、雑貨からインテリアまで幅広いモノつくりに挑んでいる。
 スカーフのように軽い素材を得意とする武藤(株)、アパレル全般に向けて大きなジャカード柄を発信している(株)槇田、ネクタイなどの小物から様々な柄を大胆に表現する(株)川栄がお互いに技術力を発揮して新鮮なテキスタイルを生み出している。
 どれも丁寧に作ることによって、一点もの感覚の逸品になっている。

・シルクカシミアのプリント大判ストール   S70/Ca30  約3万円

・シルクウールとニードルパンチ    S50/W50  白の部分S100

・大柄プリントの大布  P100

 

その他の参加各社:遠孫織布(株)(播州産地)、(株)加藤テキスタイル事務所(尾州産地)、
 (株)今正ファブリック(米沢産地)、(株)東匠猪俣(米沢産地)、遠山産業(株)(尾州産地)、
 (株)林与(湖東産地)、古橋織布(有)(遠州産地)