北川美智子
斎藤上太郎 キモノスタイルコレクション
2024-25 JOTARO SAITO
KIMONO STYLE COLLECTION
―PRISM IN THE SHADE― 日陰のプリズム
Rakuten Fashon Week TOKYO に参加した斎藤上太郎のコレクションが3月13日表参道ヒルズのスペース0で行われました。
キモノの世界や和装文化の担い手でもあるJOTARO SAITO(ブランド)は日本の伝統を守りながら新しいキモノを目指す新進気鋭のデザイナーズブランドと言えます。
デジタルやAIがファッションやもの作りに大きな影響を与えている現在、その技術を新しい表現、組み合わせ、スタイリングに巧みに取り入れる姿勢を強く感じます。
その結果着物に少しでも興味のある消費者にキモノへの憧れや親しみが伝わるのでしょう。
「和と洋のミックスが作り出すモダンさが魅力」と隣り合った着物姿のファンの言葉が印象的でした。
帯結びは基本的なお太鼓と変形のぶんこやつのだしが中心であることから、遊び心のあるヤングミセスの装いにふさわしい内容と言えるでしょう。
ボーダーやストライプなどの縞柄、大柄のボタニカルフラワー、花更紗など大胆ともいえる配色で目を楽しませてくれました。
コレクションではメンズを含む全30スタイルが紹介されました。
テーマの「PRISM in the SHADE=日陰のプリズム」について
「薄暗い灯りに象徴される日本の伝統美として論じられた[陰えい礼賛]はいつも私のモノ創りの一片にある。
その[陰えい礼賛]を[PRISM IN THE SHADE]として再解釈とアレンジを加え、現代キモノスタイルの一つとして提案を試みる」
と語っています。
中でも日陰のプリズムというテーマにふさわしい晴雨兼用の傘はブルー、ベイジュ、シルバー、黒などエレガントな「陰」を思わせる色使いと、江戸の「粋」を感じさせるモチーフが魅力です。