北川美智子

2020 22 Mar

Premiere Vision 2021 S/S 4 Perspectives シーズンの方向性

 展示会を通して「空と水と光りの共演」ともいえる方向性がカラーやイメージ、素材と共に提案されました。
 その趣旨は次のようなものです。

 21S/Sは今までにも増してエコに力を注ぐ。
 何事を始めるにもエネルギー溢れるアプローチがなされ素材感、色、ファンタジーがますます自然に重点を置いたものへと変化していく。
 美を作り出すことに、従来の眼に見えるものの変化だけに頼ることを覆す良いチャンスでもある。
 力学のルールを覆し、軽かろうが、儚かろうがその物語の中から凝縮されたものを抜き取らなければならない。
 そして変動する軽さ、沢山の個性に満ちた風合いや組成を引き出してくれる新しい基盤をみつけられるような、美しく豊かな明日を示してくれるような新しいファッションの扉が開かれる。
 ファッションは生産面においてもAIや様々な技術の進展により、楽観的変化が見込まれ、今までにも増して「eco-responsibility」に支えられ明るい方向へとむかう。

 四つの方向性が示されました。

 

「in Motion」
 ブルーの世界に放たれるぼかしや空気の充満が揺れ動く。水から空気まで、空気からピグメントまで変化するリズムで埋め尽くす。波打つ表現。光り。小波 
しぼ  軽いウッォッシュをかける。レザーのしわ加工。蜂蜜のような光沢。

 

「Materialising」
 不可能なものを繋ぎ合わせ、空気と素材をスリリングなまでに一つのものにする。何とも言えない触感や軽さ、この上ないナチュラル感を作り出す。アイディアに満ちている。コンパクトで薄い。シルクシャンタンを一ひねりさせる。麻のモダンさ。カントリーロリータ。

 

「Flexibility」 
 瞬間に何が見えるか?をしなやかに機敏に感じ取ろう。3Dの映像のように次々と変化していく素材のようだ。より素晴らしい世界へと繋がる現実の嵐である。
しなやかで高密度。ニットやシルクのしなやかさ。オーガンザ、ダブルフェイス。テクニカルな丸み・大きなモチーフ

 

「Positive reduction」 
 環境問題の警告からクリエーションの冒険までポジティブな削減を行う。環境への配慮やテクノロジーによって、消費者が素材への関心をもちはじめた。エコ素材やクリーンでトレーサビリティなオーガニック素材。シンプル、リサイクル。
モードと環境が接近。メタルフリーのカラーなどエコな手法。