北川美智子

2023 07 Apr

Premiere Vision Paris 2024S/S・トレンドテイスティング 概要

 三年ぶりにフィジカル展に活気が戻り、次のステップに向けて新しい試みが積極的に行われる展示会となりました。
 この三年間を通して使われた「Sustainable」にフォーカスしたキーワードは今シーズンも作る側から買う立場まで重要な意味を持ちます。
 これに更に今社会で起きている現実(reality)を見つめ、諸問題を解決するためのエコノミックセンスとエコロジックセンスの相乗効果を引き出す強いイメージング能力が必用となるでしょう。
 現実をしっかりと受け止め明るい未来に向かって「Dream your reality」という総合テーマが設けられました。

 2024S/S PVが提案する素材の方向性とキーワードをまとめました。

(1)カラーの特徴           (カラー資料は前回648,649回を参照)

 7色ずつ4つのグループで構成され全28色が提案された。


1のグループ  1~7
 Versatile shades 多用途なシェイド
 (ambiguous dream 曖昧な夢)
 少しメランコリックでミステリアスなスモーキーカラー

2のグループ  8~14
 Radiant luminousities 輝く光度
 (visionary reverie 先見の明がある空想)
 エネルギッシュで刺激的な光度を持つカラーレンジ
 新ナチュラルとデジタルの融合

3のグループ 15~21
 Quiet naturalness 穏やかなナチュラル
 (sustainable idealism サステナブルな考え方)
 静寂で慈愛に満ちた自然の色。
 ナチュラルを代表する色。

4のグループ 22~28
 Magnetic intensities 惹きつけられるような迫力
 (primal imaginings 最初に想像すること)
 現実を見つめる強い力
 深いブライトカラーやドラマティックなダークカラー

 

 以上の28色は素材本来が持つ色であったり光りを当てられたり、透けたり反射したりしながら現実を見つめなおし、未来に向かって夢を与えアイディアを生みだすものである。

 2024年S/Sに向けて新たに注目したい色として次の7つの色の使い方が提案された。

    1) plural whites       白がいっぱい!
        ニュートラルカラーとしての白
        白を強調する色との共演
        白のレイヤード

    2) beyond neutrals      ニュートラルを越えるニュートラル
        ニュアンスを引き出すグレーの役割
        ハイライトとしてのグレー
        特性を発揮するグレー 
        シネ調のグレー
        ちょっとしたカムフラージュ
        デリケートなニュートラルの表現
    ぼやけた明暗法を作る
    ラスティックな表現
    洗練された起毛処理
    ニュートラルや3色使いを少し和らげる。

    3) cool pastel     クールパステル(カッコよいパステルカラー)
        デニムのパステル
        パステルのカラーブロック
        テラゾ(砕いた花崗岩)のパステル
        パステルのバイブレーション
        パステルとのコントラスト        
    グラフィックなパステル
    シャドウパステル
    スポーティーなパステル
    光り輝くようなパステル
    パステルを卒業したパステル
    玉虫色のパステル
    
    4) luminous acidity    光りを帯びた酸性色
        レモネードやクロロフィルのグリーン
        生のままの酸っぱい色
        チョット見え隠れする酸性色
       格子柄の酸性色
        酸性色のグランド(地色)
        光沢とブルー味を帯びた酸性色
        インクの様なエレガントな酸性色
        酸を帯びたようなブルーとニュートラルの交流
        寒・暖のバイブレーション
        マルチカラーの格子柄

    5) intense pigments    濃密なピグメントカラー
        コントラストを持ちながらハーモニーを作り出す
        オーナメントの様なブルー
        温かみのあるブルー
        満たされた2色使のジオメトリックでモダンなDUOの考え方
        浸み込んだような(含侵)ホットとコールド
        ビビッドなマルチカラーのストライプ
        パンチの効いたグラフィックな使い方

    6) essential warms    基本的なウォームカラー(暖色)
        24S/Sシーズンは暖色やウエットな色を忘れずに
        海藻やヘンプからピグメントまで環境を意識した黒
        新しい方法と表現で新たな黒が作られる
    ダイナミックなダーク   繊細なダーク
    浮かび上がるようなダーク
    モジュラーでつなぎ合わせたようなダーク
    押し黙ったような色
    何かを振りかけたようなグラフィックな表現

 

 

(2)  DECORDINGS    素材の方向性
 素材は二つの「reality」の追求がなされた。
 1 Virtual reality  実際の、事実上のリアリティ
   VRは通常「仮装現実」と解釈されているが、ここでは表面的には現実ではないが本質的には現実。
   非現実の体験によって限りなく本質に近い体験が得られる。
   仮想現実から得られる本当の現実。背景にはテクノロジーが存在する。

        1) blurry filter   ぼやけたフィルター 
            シック  メランコリック  エコイノベーション  滲み
            虹  輝き  ビデオゲームを観るよう  デジタル
            動くことでシルエットとデコレーションが生まれる
            ストライプ  シネ  ニット  スポーツウエア
            クロマティック(彩色される)  オーガンザ  透ける
            レザー; ピグメント  スモーキー  ソフト  しなやか
            グレイッシュ  ニュートラル  オレンジ  パティナ  プリント

        2) luminous vibration   光るバイブレーション
            リアリティと夢の世界の間
            透明さ  光感  微妙さ  輝き
            積極的に取り入れられるようになった光沢を更に発展
            シネからシャイン(微妙な色の変化から輝きへ)
            コーティング  レフレクション(反射)  プリント  刺繍
            ナチュラル  羽のように軽くて光る布  フィルム
            ジャケット
            レザー; マイクロスキン  軽量  ナチュラル  ビンテージ感

        3) precise lightness   まさに軽い!
            インビジブルテクノロジー(目には見えないテクノロジー)
            軽さをデザインする  テクノロジーを駆使  
            ドレスやジャケット  モダン  ニット  トップス  シャツ  
            テーラリングもスポーツウエアにも
            レース  穴あき  ネット  透け感  ジャカード
            極小チーフのネット風  プリント  薄い
            レザー: チェーン状に編む  メカニカルマイクロデコレーション
            シャドウがかったプリント  裏にプリント  透ける

 2 Augmented reality   増強されたリアリティ
     フィジカル リアリティ   センシビリティ

    1) second skins   第二のヒフ  肌に近い
      ランジェリー  フィラメントニット  しなやかなトップス
      アシメトリーなボディスロープを作り出す  
      光沢加工したジャージー  自然のストレッチ性とメカニカルなストレッチ  シンプル
      レザー; 軽い  薄い  ボディジャケット

    2) expert density  ものすごく緻密
      高級感  滑らか  ハイクオリティ  洗練
      マットな表面感と光沢  しなやかでもハリ感
      ジェンダーを問わない
      サテン  ダブルフェイス  3シーズン着られる
      コットン  コンパクト  パーカー  トレンチコート
      プリーツ  テクニカルプリント  ジャカード
      レザー; シルクの様な表面  ラグジュアリー  しなやかな布のよう
      光沢  サテン風  ダブルフェイス  スポーツウエアにも

    3) refined rustics   ラスティックな高級感
      自然との係わり  アーティフィシャルとナチュラルのコントラスト
      科学と自然の両方を持ち合わせる  化合繊×ナチュラル
      ジャカード  レース風ジャカード  透けるレイヤード
      クラシックなグラファイルパターン  アルチザナルな装飾
      リネン  ヘンプ  アーキテクチャー風  シルキー
      麻にプリント  ダイナミックな椰子の柄  樹木柄

 

 

   2024 S/S素材の三つのポイント

   1 sophistication  洗練
     テクニックを存分に使いながらもシックであること

   2 high precision  高精度
     環境 デザイン マテリアルの三位一体

   3 phygital creation  (physical×digital) リアルとデジタルの融合
     フィジカルな世界と夢の結合  進化の目指すもの

 

 

 ※写真はプレスリリースから生地や会場内のフォーラムの様子を切り出したもの。