北川美智子
JC・PTJ 2024-25 A/W 総合展
国内最大の素材展でもあるJapanCreation展が10月31日11月1日の両日有楽町の国際フォーラムにて開催されました。
国内外に向けて産地からの発信、各素材メーカーや染色加工、テキスタイルデザインの工房やファクトリー、コンバータ、問屋機能を持つ各社が来秋に向けて開発した素材が並ぶとして業界でも注目され32回目を迎えました。
年に一度、秋冬シーズンにのみ参加するPTJ(PremiumTextileJapan)は四つのゾーンに分かれ、団体の出展は不可とされて出展社と実質的な商談を行う場となっています。
A 織物 短繊維 (コットン、ウール、麻、複合)
B 織物 長繊維 (化合繊、シルク、機能素材、複合)
C 染色 加工 プリント 刺繍 レース 皮革
D 服飾資材 ニットファブリック 撚糸 パイルファブリック
出展71社
JC(JapanCreation)は基本的にA/W,S/Sの年二回開催され、同様に大きく四つのゾーンに分かれます。
1 テキスタイル 32件
2 服飾資材 7件
3 繊維関連・製品 2件
4 皮革・毛皮 5件
出展 46件
前回に引き続き「What‘s Next」は「売る事」を目的として、次の売れ筋となるテキスタイルの魅力を引き出すための人気投票が行われました。
会場ではシーズンの方向性が素材と共に示されました。
[ JFW Textile View 2024 A/W ]
Time to Pass On to the Future 未来につなぐ時間
不確定な世の中になった今、目まぐるしく変化する日常がより良い明日の幸せを願う美しい一刻の連なりでありたい。
[ Circulatory Time ] 循環な時間
自然の中で生きることの本質を問う。命の尊さ。
エネルギーや環境、再生+循環、デジタルとフィジカル、などと向き合いながら
自然の共生バランスを創造する
カラー:人の暮らしと自然が溶け合う優しい温もりのあるカラーバリエーション。
[ Melancholic Time ] メランコリックな時間
メランコリックな追憶にひたる。 記憶をたどりながら現在を見る。
独創的な感情。
カラー:儚さと現実。自由な美学をエレガントに個性的なカラーの表現。
[ Energizing Time ] パワーアップの時間
強いエネルギーを伴なう心と身体の不思議なパフォーマンス。
ダイナミックに繊細に情熱を注いでスクラップアップする。
カラー:ポップなアートや音楽、リズムを思わせるリッチでエネルギッシュなカラー。
遊び心や情熱溢れるカラーパレット。
[ Harmonious Time ] 和みの時間
人の心のぬくもりを感じながらゆったりと過ごす時間。
澄んだ空気、リラックスした気分、ゆとりと安心感に包まれる。
カラー:静寂な時間。和みを感じさせるリラックスカラー。
心を癒す温かみのあるラグジュアリーカラー。
INDEX 出展各社の新商品やイチ押し素材の展示
各社の思惑が込められたndex コーナーの展示はシーズンの大きな方向性と本音のような素材の訴求力があり、デザイナーにとって様々なクリエーションを掻き立ててくれる場でもある。
今シーズンのTextile View に基づき参加各社が絞られた点数の中で最も推しの素材を並べることによって今の日本の素材の様子をうかがい知ることができる。
シーズンの先駆けるものが多い中で、今年はファッションや社会の傾向でもあるベーシックや伝統を重んじる事、長年慣れ親しんできたものに手を加え、未来志向や新しさを加えたものの増加が伺える。
人のぬくもりを感じさせる技、様々な表面感、ダメージからビンテージ調へと変わるデニム、自由に放出されるような光感、ダイナミックなプリント柄から小突きの幾何柄、ハンで押したようなフラットなモチーフなどが見られ、織物から丸編み、レース、経編など一見しただけでは区別がつかない素材にこれらの技が施され、その進化ぶりに驚く。
市場に対応するためには避けて通れない価格の問題には各社の努力が待たれるところがあるが、同時にアパレルもその価値を認めバランスの取れた商品作りの改善が期待されるところであろう。
参照 www.ptjapan.com www.japancreation.com