北川美智子
初秋の頃 3
長いといわれていた夏の暑さもようやく退き秋の気配を感じるようになりました。
季節の変わり目のMDは気温との闘いともいえますが、秋はそれに加えて台風がらみの天候が関わります。
まるで米や野菜の収穫と一緒ですね。
今年のトランシーズンは実態に合った万全対応型ともいえます。
二か月先の深まった秋や防寒めいたものはほとんどなく、ソフトに季節の進みを受け入れるといった気候に自在に対応しているようです。
実質的に8月は夏の名残りと秋風や台風など夏との決別のような自然界の出来事に新たなスタートへの気持ちが動きますが、今夏は例年にない暑さのせいもあってその対策に追われました。
経過のポイントを簡単にまとめます。
今夏の動きの良かったアイテムはスカートとブラウス、ロゴのTシャツ、多彩なプリント、動物(猫やフラミンゴなど)や花、レース、ベーシックなデニム、色と柄のパッチワークが代表的でしょう。
晩夏と初秋はこれらを引きずりながらプリーツ、フリンジ、ブルゾンからライダースまでのジャケット、カジュアルな黒、ロックの黒、コーデュロイ、ミドルゲージのニット、つなぎ、少しボヘミアンを思わせるエスニック風の表現が加わっています。
8月下旬はツィードやファーがさりげなく入り、英国調やトラディショナルテーストが出ています。
黒はベタなものよりも白地に黒のモチーフや水玉柄、チェックなどで白との配色や透ける素材、レースなどに付けられ秋のエレガントな大人の装いに一石を投じています。
ドレスやワンピースはジャケットやコートとあわせてのスタイリングであったり、シフォンなどの柔らかな素材でゆったりとエレガントなものが新鮮です。
ベルベット、プリーツ、シンプルなチュニックタイプなど見慣れた感じはあるものの、色や光沢、どこか気まぐれな人の手が加えられた趣きがあり、暑くても鬱陶しくない自然の移り行く姿が感じれれる8月末の初秋です。












