北川美智子

2018 19 Aug

夏の名残と秋の始まり 1 立秋のころ

 暦の上では秋でもまだ十分熱い夏が居座っている8月です。
 夏のおしゃれに麻の存在は大きいと認識はしていますが、このところの素材の複合化は天然繊維の見え方を大きく変えています。
 麻も例外ではなく他の繊維と混ぜることによってしわ、縮みのデメリットが改善されたり、伸縮性を伴うことによってフィット感を出したりと機能性が加わり活用の場が広がりました。
 今夏は綿やレース、プリントが幅広く活躍した店頭で、麻は春から初夏のジャケット、人気の無地のスカートやワンピース、シャツやブラウスなどのトップスに多くみられました。
 秋の新作としても登場し、ナチュラルな味わい、清涼感を伴いながら、気温変化の激しい秋の始まりにも適切かもしれません。
 機能性を兼ね備えた新しい麻見え素材は複合化という技術開発の賜物として来シーズンの活躍が期待されます。
 原材料の様々な課題があり、本来の需要に対しての供給が十分とは言えず、適正価格についての意見は割れるところですが、麻の魅力はつきません。