北川美智子

2019 29 Dec

高野口パイルファブリック展

 和歌山県高野口のパイル織物は昔から縫いぐるみをはじめ毛布やインテリア用として馴染みのある素材です。
 このところのフェイクファー人気でその注目度は改めて大きなものになりました。
 パイルファブリックの新しい用途提案として、ベロアジャカード、リバーシブルニット、レーヨンシール、エコファー,再織り(シュニール)、コットンベルベット、エクステリア、機能性やエコを追求したファブリックなどが一同に集められた展示会が10月の始めにラフォーレミュージアム原宿で開催されました。
 今年市場に急増したボアやシープ、ファリースタイプ、シールなどは日本の中でも高野口に最も期待がかかっています。
 参加は13社。
 PV出展経験社も多く、それぞれの得意とするところを競いました。
 青野パイル(株)、 井脇織物(株)、 オーヤパイル(株)、(株)岡田織物、杉村繊維工業(株)、妙中パイル織物(株)、中野メリヤス工業(株)、(株)中矢パイル、(株)日本ハイパイル、野上織物(株)、原田織物(株)、松岡織物(株)、ヤマシタパイル(有)です。

 

★妙中パイル織物(株)
 自動車シートの生産で培われた品質と納期管理の技術を生かしてインテリアからモードまでのジャカードやファー、ベルベットを得意とする妙中パイルは、車や列車のシートが原点となり、ジャカードベルベットが国会議事堂の議員の椅子に使われていたりホテルや会館、ホールでも見受けられます。
 柔らかくても適度なコシがある化粧用のパフ、草履や下駄のハナオの内側など目立たないけれど日常の特殊分野にまで専門性を活かしています。
 時の素材でもあるフェイクファーの分野ではウールとアルパカをミックスさせたものが最も人気。
 高級感と使いやすさが特徴です。
 発色の美しさを狙ったポリエステル/シルクやデニムファーも安定した需要があります。

URL:http://www.taenaka.com

 

 

★杉村繊維工業(株)
 ドイツのフェイラーで知られるお馴染みのシェニール織りは、日本では「再織」として高野口の杉村繊維工業で作られています。
 再織という言葉はあまり耳にしませんが、明治初期にヨーロッパからの影響を受けて日本で独自に研究開発したもので、高度の技術を擁する再織は機械化が難しく生産が途絶えてしまいました。
 平成3年にハイテクを駆使し機械による生産が可能になり、国産のシュニール織が可能になりました。
「再織」(シュニール織)とは一度織りあげた生地をタテ糸に沿って裁断し、モール状の糸に仕上げ、そのモール糸をヨコに使い再度織りあげるので「再織」と呼ばれています。

URL:http://fabricofabrico.jp/

 

 

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