北川美智子
12月コートウォッチング
今年のコート市場は作り手、売り手、着手の微妙な駆け引きになりました。
暖冬、災害、寒さなどの予期しない事態が重なり、コートに対する概念が変わったような気がします。
防寒、雨、オシャレなどの実需用は変わりませんが、より広い用途を考えて「アウター」という区分に当てはめるのが適当ではないかという意識が強くなりました。
12月半ばの暖かい日、寒い日の両日定点ウォッチングをまとめました。
15℃から18℃の比較的温かで晴れた日(賞味10分)
・ウール又はウール見えする素材(フラノ、起毛タイプ、ツィード)15人
・フリースタイプ 10人
・ダウン 3人
・トレンチ 1人
・コーデュロイ 1人
B点
・ウールタイプ 13人
・ダウン 2人
・トレンチ 1人
・ファー(フェイク)1人
C点
・ウールタイプ 7人
・ダウン 3人
・薄手ファータイプ 2人
10度前後のやや寒い晴れた日(各点賞味10分)
D点
・ウールタイプ 12人
・ボア 5人
・コールデュロイ 1人
・ダウン(ブルゾンやジャンパーを含む)7人
・フリース 5人
E点
・ウールタイプ 12人
・ダウン(非ウール全般)15人
・ボア、フリース (スタジャン含む)7人
F点
・ウールタイプ(柄を含む)8人
・ダウン 8人
・薄手ファータイプ羽織ジャケット 2人
・毛皮(本物?フェイク?)3人
瞬時に近いウォッチングで約130人のアウター事情を垣間見ました。
昨年と異なる点は:
・フェイクファーに次いでフリース、ボアが増加したこと。
・ウールの広がり。オフ白、クリーミーな薄い色が新しく、ベージュ、キャメル本命。黒は相変わらず多く今年購入したか不明。
・ウールは格調の高いベーシックに欠かせない。
・ベーシックの表現に 千鳥講師やヘリンボンが使われ新鮮。
・ウールの大きな格子も新鮮。
・ダウンはモンクレーやカナダグースからユニクロまで幅が広い。
・たっぷりしたブルゾン。
全体を通してウールはオシャレ感や久しぶりのオーセンティックムードが表現される。
ポーツ感覚にはフリースが大人気。
寒くなると途端にダウンが増えるのは、おしゃれ感覚を失うまいとしながら自然の摂理にごく当たり前に反応する消費者心理そのものです。