北川美智子

2018 23 Apr

Amazonファッションウィーク東京

 3月第3週はファッションウィークの核となるコレクションが開催されました。

 シーズンは2018年秋冬ものです。
「See Now,Buy Now」の掛け声はありますが、東コレは従来の各会場でのランウェイコレクション、インスタレーション、展示会がおこなわれました。
 若いクリエーターたちの新しいコレクションへの挑戦がなされ市場への期待も膨らみますが、ベテランのデザイナーの素材へのこだわりには新しい加工や機能性を取り入れながら本来の持ち味を生かし、高め、日本の誇りを表してくれるものが沢山あります。
 来シーズンに向けてこれらのコスチュームが発信する色と素材使いに刺激されるものは少なくないようです。

 

Matohu マトフ (デザイナー 堀畑裕之/関口真希子)

 3月21日 秩父宮ラグビー場東入場口

 

 まるで冬の名残りかのようにボタ雪の舞う中で「なごり」をテーマに深く静かにでも熱いコレクションが展開されました。

「日本の眼」として日本の美意識をテーマにして生活の中の美に注目したコレクションをおこなっていますが、今回の「なごり」はその完結版になりました。

 長着、はおり、ボトムス、トップス、コートなど、先染め、変化ジャカード、膨れ、無地、二重織など日本の伝統的な色を優しくあるいは驚くほど強く色を重ね組み合わせて使うというのが特徴ですが、今シーズンも大人のエレガンスを独自の方法で表現しています。
 シンプルでいて緻密に計算された深い伝統美は海外でも大きな反響があるようです。
 日本の素材と縫製にこだわることもトレーサビリティー、サスティナブルなどのキーワードと連動し、キモノ文化、日本の美を洋服の世界に見事につなげているブランドでもあります。

                     Matohu Studio; URL:www.matohu,com