北川美智子
東京コレクション2019 A/W Amazon Fashion Week 4 両極の味わい
ブランドにとって大きな意味を持つランウェイのショーですが、展示会形式、インスタレーション、ネット通信にてと様々な形で商品を紹介しながらクリエーションをアッピールします。
かつては華やかで研ぎ澄まされた見ることで大方の満足が得られるものが主体でしたが、昨今は趣きや趣旨に賛同するファンやファッションとしての本来のスタイリングやデザインの美しさや新しさを求める顧客の為と両極の内容が見られます。
その代表的な例をご紹介いたします。
ユキ・トリヰ インターナショナル デザイナー 鳥居ユキ
(3月19日 於 エビス ガーデンホール)
幸せいっぱいの日本のマドモアゼルやマダムを連想させるユキ・トリヰのショウは、そのまま日本の消費者と繋がるウエアラブルなコレクションです。
明るくきれいな色使い、秋のほっこりとした温かな配色のニット、軽く静かに揺れるウールのコート、華やかさを際立たせるプリントなど、顧客をよく知り喜ばせることのできるコレクションでもあります。
吟味されたニット、カットソーが親しみを増し、体型に寄り添うような布帛のシルエットのドレスやスーツもファンの多いアイテムです。
手が届き楽しめるプレタポルテとしての安定したポジションを持ち続けるブランドに幸せな気持ちを分けてもらいました。
ACUOD by CHANU デザイナー 李燦雨 チャヌ
(3月21日 於 ヒカリエ Hall A)
ハードロック風ユニセックスブランドのAcuodの今シーズンのテーマは「knockout Your Fakes」。
挑戦的、反抗的、ゲーム感覚、踊り、リズム、ビート、躍動などのキーワードが伝わってくるような不思議な魅力のあるコレクションです。
本物を充分に理解し、消化し,昇華させているかのようなインパクトがあります。
ナイロンからウールに至るまで自在に素材を扱うが、黒を中心にグレーや白の無彩色がベースでダークファンタジーの要素も持つ。
トサカのようなヘッドアクセサリー、ビニールのポケット、ジッパー使い、銀ラメのフリンジ、ダボダボ迄にゆったりとした中綿のコート、ジッパーの着いたマスクなどなど、エネルギーをためて発散するかのようなシーンが展開されました。
扱い商品はユニセックスウエア、シューズ、バッグ、アクセサリーなど。
ほんの一瞬のイメージしかお伝え出来ないのが残念です。
参照 acuod.com
同じ季節の中で正反対に位置するかのような両ブランドが共存する良き時代です。