北川美智子
スリーシーズンをカバーする尾州展
2019年が明けました。
新元号のこと、消費税のこと、AIやロボットのこと、そのほか様々な分野において見えると見えざるとに関わらず変化がありそうです。
アパレル作りも素材作りも例外ではありません。
消費者の変化や動きと共に小売市場も大きく変わり今はネットビジネスを抜きにして流通は語れません。
そんな硬い話でもモードは息づきクリエーションの幅は広がり、日常のファッションが生き生きと活動していることも事実です。
新春のウィンドウは寒さに対応するような温かな素材が沢山見られます。
エレガントにもクラシックにも、カジュアルにもポーツを意識したものも多種多様な素材に今年も様々な特徴を持つ展開が予測されます。
アウター素材にはフェイクファーや毛足、起毛などふっくらしたものが目立ちますが、これは今秋冬に向けても継続されると思われます。
PV展にもあったように春夏には軽くて光沢のあるものやしっとりとオチ感のある風合いや触感、秋冬には同じく軽くてふんわりや目の詰まった手持ち感のあるものなどが中心になりそうです。
昨年10月に行われた2019-20秋冬向け素材の尾州展では、これらの特徴を持ち、ウール見えするもの、毛足のあるもの、原材料のミックスなどの素材が新しい表情を見せてくれました。
織物のようなニット、厚みがあって柔らかなもの、薄手でありながらしっかりとした触感など、秋冬向けでありながら春にも十分活躍できそうです。
その一部をご紹介します。
テーマは:
ABSOLU 絶対的なもの
RIDE 乗馬
UTOPIA ユートピア
の三つです。
ABSOLU
精密な感じのするエレガンス。
余分なものを排除。
建築を思わせるようなシルエット。
紺やこげ茶、黒などの濃色を中心に白や赤のアクセントが際立つ。
・コート
みづほ興業(株) ワッフルツィード W75/Pe25
フラップ ハードヘリンボン W75/Pe25
・コート
鈴憲毛織(株) ループシャギーリバーシブル W84/N10/Mo3/C3
モヘアシャギーウィンドペン “
・コート
(株)ヒラノ エアーバスタツィード Pe54/W40/R6
・コート
林実業(株)ケープ Wロービングカラミチェック W99/N1
コート Wスラブブッチャー An29/W22/N10/Pe14
・セットアップ
渡六毛織(株) サイロ二重織 W81/N19
RIDE
クラシカルなエレガンスの追求。
民族の力。
品格、気品。流動的。
人間工学的フォルム。
伝統。
テラコッタ、茶、枯草の色。
・ワンピース
虫文毛織(株) フリンジチェック An29/W24/N18/C16/S13
(ブークレツィードにニードルパンチとフリンジ加工)
・コート
森織物合資会社 カシミアタッターソール W80/Ca10/n10
・ジャケット
ファインテキスタイル(株) ジロン綿千鳥 C75/W15/R15
(柔らかさと軽さ)
・パンツ
ファインテキスタイル(株) W/TRセミパイル W47/Pe38/R15
(ニットにも見えるセミパイル織物)
・ケープ付きコート
三星毛糸(株) カシミア ケープ W76/Ca24
コート Ca100
・コート
中伝毛織(株) 平織チェック(小) W100
綾織チェック(大) W100
エアリアウール W100
UTOPIA
霧の中に見える光り。
ぼんやりとしたパステル。
アジアと西欧の間。幻想的。
詩的とポジティブ、素朴さと革新、ソフトとハード、ストリートとはかなさのハイブリッド。
・コート
岩田健毛織(株) 梳毛紡毛シャギーボーダー W69/N11/AP10/Mo8/Pe2
・アンサンブル
宮田毛織工業(株) トップス クラッシュシャギー W32/Pe22/An40/Mo6
スカート メイズ W52/N48
・スーツ
日本エース(株) インレーボーダー W57/An37/N4/Pe1/C1
(膨らみ感のあるロービングボーダーニット)
・コート・パンツ
(株)ソトージェイテック コート ワープカルゼ W71/N18/Pe11
(紡毛使いの軽さ、膨らみ感のあるラッセル)
パンツ カルゼCDストレッチ Pe67/W24/N8/Pu1