武田 尚子
2020秋冬ワコールの方針
8月中旬、ワコールが個別オンラインを使って、2020秋冬シーズンの商品説明会を行った。これで、EC中心にD2Cのビジネスを行う独立系ブランド以外、インナーアパレルはほぼ同シーズンの発表が終わったことになる。
既に店頭などでは、秋冬物企画の販売が一部スタートしているものもあり、商品展開のサイクルが例年と大きく変化していることはいうまでもない。
ワコールブランドは、前シーズンに引き続き「ボディケア領域」の拡大を最重点施策としており、重力に負けない「バストケアブラ」による新規顧客拡大、現在ヒットしている「ナイトアップブラ」の充実による夜のバストケア市場の拡大をかかげている。
ウイングブランドは従来のチェーンストアチャネルに限らず、セルフで買いやすい売場という軸で販路を拡大。4000円台にシフトしていたブラジャーの価格帯の見直しを図り、現在好調な3000円台のブラジャーを強化するために、新しく「エアリーソフトブラ」を発売する(8月上旬から)。以下はカラー展開と商品ポイント。
また、ウエルネス事業部「CW-X」においても、スポーツブラで4500円のエントリーライン、タイツで7000円という、従来よりも価格帯をおさえた、手に取りやすいラインを拡充させている。アスリート向けというよりは、健康や美容のためにからだを動かしている女性がターゲット。
このほか、新しい取り組みとして印象的だったのは、ニットインナーや「ナイトアップブラ」、「睡眠科学」のパジャマなどで、同社としては幅広い商品群でオーガニックコットンを導入していること。これまでも展開はあったというが、今回のように目立つ取り組みは初めて。サスティナビリティの社会的気運に連動したものといえる。
コロナ禍による不安定要素は大きいが、全体を通して同社の強みを一つ一つ再確認した事業展開の「宣言」となっている。
「エアリーソフトブラ」のイメージモデルにはファーストサマーウイカさんを起用。
ブラを着用していない新聞広告(エリア別5種類)が目をひいた